お墓はなぜ石で作るのか

最近は石ではなくガラスやセラミックでできたお墓も販売されていたり、それ以外で樹木葬や納骨堂などいろいろな形態があります。今回はなぜお墓は石で作られているのかをご説明いたします。

千引石(ちびきいわ)


少し、遠回りのように思われる方もいるかもしれませんがお墓の始まりは日本列島ができたころにさかのぼります。日本列島を作ったといわれる2人の男女の神様(「イザナギの命(みこと)」と「イザナミの命」)はまずは日本列島をつくりその後、更に山・海など森羅万象の神々を生みました。その中で火の神を生んだ際に火傷を負い、その火傷が原因で亡くなり、黄泉の国(死者の国)へ行ってしまいます。その死を嘆いたイザナギが黄泉の国へ行くのですが、そこにはウジが湧いた恐ろしい姿のイザナミの亡骸がありました。それを見たイザナギは恐ろしくなった逃げ出してしまいます。その姿を見られたイザナミは恥をかかされたと追いかけてきます。何とか黄泉の国の入り口まで逃げてきたイザナギはイザナミが出てこれないように千人でやっと動かすことができるほど大きな石(千引岩)で塞ぎました。この石は生きるモノと死んだモノを分けることとなり、これがお墓を石でつくる原形になったのではないかと言われています。

神話から考える”石”の役目


石の役目は大きく分けて三つあると考えられます。
①霊力をもった墓石
→死者が地上に出るのを防ぎ、追い返す能力がある。
②あの世とこの世の境界石
→単純にモノとしてではなく、災いを防ぎ安全を守ると考えられています。のちに鳥居や道祖神、六地蔵などに発展していきます。
③死者と会話できる石
→先ほど述べませんでしたが「イザナギの命」と「イザナミの命」が千引岩を挟んで会話するシーンがあります。内容はさておき、今日が私たちが「墓石」に話しかけるシーンとそのものだと思います。

いかがでしょうか。なぜお墓が石でつくられているか少しはお分かりいただけたのではないでしょうか。そういった意味があるということを理解してつくると一味違ったお墓になると思います。。いずれにしてもお墓はものではなく、生きる人と死者をつなぐ大切なシンボルですね。

※小畠宏充先生の「日本人のお墓」から抜粋、編集しました。

まごころ価格のハンドブック

ハンドブックで選ぶお墓のオーダーメイド

伝統的な和型やスタイリッシュな洋型デザイン。
そして世界各国をはじめ日本から厳選された高品質みかげ石を組み合わせて、世界にひとつだけのオリジナル墓石をお作りすることができます。
まずは無料ハンドブックをお取り寄せください。