- 永代供養墓
- 2024.06.21
お墓と海外文化~外国における永代供養とは? 日本のお墓との違い
海外と日本では、埋葬の方法も違えば考え方も違います。また、時代によって海外の埋葬文化も変わりつつあります。
今回は日本と海外の埋葬事情や永代供養の考え方の違いについて取り上げ、解説していきます。
土葬から、火葬へ~移り分かりゆく埋葬方法について
日本ではなくなった人のうちの99パーセント以上が、火葬というかたちで弔われます。日本では土葬はほとんど認められておらず、亡くなった方は葬儀の後に火葬場に運ばれ火葬、そして収骨を行うのが一般的です。国土が狭いこと、感染症を防ぐという観点から見て火葬が有効であると知られていたこと、仏教や神道では火葬は必ずしもタブー視されていなかったことなどが、この「亡くなった人は、火葬で弔われる」という日本の風習を作ってきたものだと思われます。
しかしキリスト教が中心となるヨーロッパ圏などでは、火葬は積極的には行われてきませんでした。これはキリスト教の宗教観ということもありますし、歴史的・文化的な背景によるものとも考えられています。
もっとも、2019年の12月から始まった新型コロナウイルス(COVID-19、以下では「コロナ」の表記に統一する)の流行は、このような状況を変えたともいわれています。たとえば火葬率が3割程度だったイタリアでは、軍が協力して火葬を進めたという報道がなされました。
ユダヤ教やイスラム教でも、従来は土葬での弔いが一般的であり、火葬は宗教上好ましくないとされていましたが、コロナ下で大きな変化が見られました。
現在はコロナの報道もやや下火になっていて、今後の世界の情勢は変わっていくかもしれません。
しかし今まではタブー視されていた「火葬」という選択肢が、世界からも選ばれるようになってきたのは事実です。
「永代供養」はどうなるの? 海外におけるお墓の事情
日本では現在、「永代供養」という埋葬方法が広く知れ渡るようになりました。これは、後継者がいなくなった後でも墓地の運営団体がお墓を管理してくれるものです。「初めは個別埋葬されていて、最後に埋葬されてから一定期間が経ったら合葬される」というスタイルや、「初めから合葬墓に入る」というスタイル、また「木の下で眠る樹木葬」というスタイルのいずれかを選ぶのが一般的です(※合葬されないものや、納骨堂に入る選択肢もあります)。
キリスト教では、「供養」という考え方はありません。「供養」はあくまで仏教の考え方であって、キリスト教では「亡くなった方は神様の御許で永遠の安息を得る」と考えます。
ただ現在は海外でも、樹木葬というかたちをとる人が見られるようになりました。
たとえば勧告ではご遺骨を着の周りに撒くかたちで樹木葬を行いますし、イギリスではすでにある樹木地帯にご遺骨を撒くというかたちをとります。
海外で樹木葬が始まったのは、環境保全などの観点からによるものだとも言われています。また、かなりハードルはあがりますが、「日本で亡くなった日本人が、海外で樹木葬で埋葬される」というかたちをとることも可能です。ただしこの場合は現地とのやり取りは必須ですし、国ごとの法令についてもしっかり確認しなければなりません。
また、樹木葬と同じ「自然葬」に分類されるものとして、「海洋葬」もあります。海洋葬は海にご遺骨を撒くもので、海を愛していた人にぴったりの埋葬方法です。この方法は海外でも埋葬方法のひとつとして選ばれています。また、日本人の芸能人・hideがロサンゼルスの海に散骨されたことはよく知られていますが、このように、「日本で亡くなって、海外の海に散骨してもらう」というかたちで眠ることもできます。
かつてはタブー視されていた火葬という埋葬方法が、コロナの流行で諸外国(また今まで土葬をメインとしていた宗教)にも広がっていきました。また、埋葬方法も自由度が上がり、それぞれがそれぞれの希望に合わせて終の棲家を選べるようになってきたのは、時代がもたらした大きな変化だといえるでしょう。
今後もこのような流れは続いていくものと思われます。
まとめ
仏教や神道では、火葬はタブーとされていません。日本では99パーセント以上の人が火葬というかたちで弔われます。ヨーロッパなどでは、宗教観や歴史的背景もあり、火葬は今までは積極的には選ばれず、土層が中心でした。しかしコロナの流行により、火葬も受け入れられるようになりつつあります。
「永代供養」という考え方は仏教のものであり、キリスト教などにはありません。しかし樹木葬や海洋葬などのかたちを選ぶ人は、海外でも見られるようになりました。また「日本で亡くなった人が、海外の樹木葬墓地や、海外の海で埋葬される」というかたちも選べるようになっています。
ただこの方法を選ぶ場合は、事前の確認が必須です。希望する埋葬地の法令なども確認する必要がありますから、ハードルはかなり高くなるといえるでしょう。
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