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これで疑問解消!お墓の引越し(改葬・移転)の方法と注意点

お墓の引越し!その定義と増加の理由

お墓の引越しとは、すでに納骨をすませた遺骨を現在のお墓から他のお墓に移転することを指します。
正式名称を改葬といい、それを行うには公的な手続きが必要となります。もし無断で改葬を行うと罰金を科せられる場合があるので注意が必要です。
ちなみに、お墓から回収した遺骨を散骨したり、手元に置いて供養したりする場合は改葬には当たりません。あくまでも、新しい墓に遺骨を納めて初めて改葬と言えるのです。

昔に比べると、現代はこの改葬が増加傾向にあります。
その主な理由は、お墓の持ち主自身が都会に引越しをするなどしてお墓が遠くなってしまったからです。そうなると、お墓の管理をするのも墓参りをするのも大変になるため、お墓も一緒に引越しをしようというわけです。
また、先祖代々のお墓を継ぐ者がいなくなったため、永代供養墓などに引越しをするというケースも増加しています。

その他にも、「今までお墓を管理してくれていた人がいなくなった」「墓地管理者との付き合いがうまくいかなくなった」「宗旨替えした」などの理由で改葬するケースもあるようです。

改葬の種類とそれぞれの特徴

一言でお墓の引越しといっても、その方法にはいくつかの種類があります。

まずは、石碑も遺骨もすべて新しい墓地に移転してしまうパターンです。この場合、新しい石碑を用意しなくても良いので予算の節約になるというメリットがあります。
ただし、墓地によっては既存の石碑を持ち込めない場合がありますし、持ち込みOKな所でも石碑の寸法が合わなければ移転はできません。したがって、事前にそれらの点について確認をしておく必要があります。

次に、石碑は新たに注文し、遺骨だけ新しい墓地に移転するという方法です。
新たに石碑を用意しなくてはならないので一見割高に思えますが、石碑の輸送費などを考えると逆に安上がりなケースもあります。
実際、お墓の改葬の中で最もよく行われているのは、このパターンです。しかし、いずれにせよ元の墓は引越し終了後に更地に戻すという点については両者とも同じです。

それに対して、元の墓をそのまま存続させておく方法もあります。
例えば、新しい墓地には新たな石碑を用意し、元の墓からは複数ある骨壷の内、数個だけを選んで移動させるのです。さらに、骨壷ごと移動させるのではなく骨壷の中にある遺骨の一部だけを新しい墓に移動させる分骨という方法もあります。ただし、墓地の管理者や火葬場などから分骨証明書を発行してもらう必要があります。
なお、お墓には石碑や遺骨以外にも納骨棺や外柵などがありますが、これらはサイズが合わないなどの理由から移動はできない場合がほとんどです。

相場はどのくらい?改葬に要する費用と時間

改葬を行う際に気になるのはやはりその費用です。
必要なお金は、大きく分けて「古いお墓を処分する費用」「石碑などの移動費用」「新しいお墓を建てる費用」の3つに分かれます。

まずお墓の処分費用ですが、現在の墓所を平地にする解体費用に30万円~50万円ほどかかります。それから、閉眼供養に伴うお布施が合わせて3万円~5万円ほどです。その他にも、場合によっては檀家をやめる離檀料に数十万円かかるケースもあるので注意が必要です。

一方、新しい墓所は永代使用料数十万円と管理費用を年間数千円支払って購入します。そして、それとは別に石碑の建立には100万円~150万円ほどかかります。さらに、新しいお墓の開眼供養のお布施が3万円~5万円程度です。

最後に移転費用ですが、これは石碑を移動するのかどうかで大きく変わってきます。仮に移動するとすれば他の移動費用と合わせて20万円~30万円程度と思っておけば良いでしょう。

以上、大まかな計算になりますが、改葬にかかる費用をすべて合わせると200万円~300万円程度になると考えられます。
もちろん、実際の改葬費用は墓石のグレードなどによっても大きく変わってくるため、これはあくまでも目安です。

また、費用だけでなく改葬が終わるまでにどのぐらいの時間がかかるのかも気になる点です。こちらも一概には言えませんが、申請開始から完全に改葬が終了するまでの期間は3カ月~6カ月程度を目安と考えれば良いでしょう。
ただし、実際は1年近くかかったというケースも珍しくないため、期間については長めにみておいたほうが無難かもしれません。

改葬の流れと必要な手続き

最後はお墓の引越しをする際の実際の流れについて。

まず、インターネットなどを利用して新しいお墓の候補地を探します。候補地が見つかれば現地の見学を行い、諸条件なども確認しながら移転先となる墓地を決定します。
そして、いよいよ契約です。申込手続きを行ったうえで、永代使用料や管理費用などを納めて永代使用許可書をもらってください。

お墓を建てる土地を入手した後は、完成予定日などを決めて施工業者と工事契約を結びます。同時に、元の墓から遺骨を移す前の閉眼供養などの日程も決めておきます。
その際、元の墓の管理者に決定した日程を連絡するのを忘れないでください。
新しいお墓が完成するまでは3カ月ほどかかるので、その間に役所の手続きをすましておきます。

お墓のある地域の市町村役場かそのホームページで改葬許可申請書を入手します。
それに必要事項を記入した後、元の墓の管理者に改葬の承諾を得て申請書に捺印してもらってください。さらに、遺骨1名ごとに埋蔵証明書が1枚必要となるのでそれも発行してもらいましょう。
それらの書類を墓地使用許可証や受入証明書と一緒に市町村役場に提出すると、改葬許可証が発行されるので大切に保管しておいてください(提出書類は一例であり、実際は自治体によって異なります)。
それから、予定の日に閉眼供養を行い、遺骨を取り出します。遺骨は新しい墓が完成するまでは自宅の仏間や引越し先の墓地などで安置しておいてください。新しい墓が完成すると開眼供養を行って遺骨を納骨します。その際には改葬許可証 や墓地使用許可証が必要です。

以上が、お墓の引越しのおおよその流れになります。これを参考にしつつ、本番前にはしっかりとしたスケジュールを立てておくことをおすすめします。

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