皆さまお墓がどのように作られているかお分かりなりますか。
今回はお墓がどのようにできるかご説明いたします。
丁場ってなに
丁場とは、山に眠る原石を切り出す採石場ことをいいます。私も墓石の仕事をするまでは知りませんでしたが、
建設関係のお仕事をさせている方の作業現場も丁場ということがあるようですね。
まるで包丁で切ったように、スパッと切られた石が積まれている様子を写真で見ただけの頃は、丁場の丁は包丁の丁なのかな?
などとバカなことを考えたものです…まったくお恥ずかしい話です。
まずは山から石を切り出す
見えるは一面、石の岩盤の壁…いったいどうやって切り出すの?こんな硬そうな石を切れるの?と思いながら見学させていただきました。
切り出し方にもいくつか方法があるようですが、岩盤に穴をいくつか開けてダイナマイトを設置し、爆破して切り出す!なんてダイナミックな方法もあるそうで驚きました。
そんなことしたら石がバラバラになってしまうのでは!?と思い質問してみましたら、「石には“目”があり、その流れに沿って爆破するときれいに割れる」のだそうです。
私はその目が全くわかりませんが、長年経験されている職人さんには見えているのだと思うと「すごいなぁ」と感嘆しました。
切り出した石を墓石の合う大きさにさらに切る
ダイナマイトで爆破するところを見たかったのですが、今回は残念ながら見ることができませんでした。その代わり、山から切り出したショベルカーの本体よりも大きい石があり、
これをさらに切って分割し、ちょうど良い大きさの原石にする作業を見学させてもらいました。
ワイヤーソーを使っ石を分割していくのですが、ここでもまた例の“目”に沿って切らないと変な割れ方をしてしまうのだそうで、「目をみて、石と会話しながら切り出す」のだそうです。
慎重に丁寧に目をみていく姿は、本当に会話しているようです。
石は自然のものですし、生き物といわれるのがよくわかる貴重な経験でした。
少しずつ墓石らしい形になっていく
次は場所を工場に移し、大きなダイヤモンドカッターで原石を切っているところを見せてもらいました。
水しぶきを立てながら、少しずつ少しずつ何度も往復しながら四角に切っていきます。ここで石が割れずにきれいに切れるのは、目に沿って原石を切り出したからなのか!と思うと、石は硬いけど、
とても緻密で繊細なんだなぁと思わずにはいられませんでした。
石を磨いてピカピカにする
これまでの段階での墓石はまだザラザラしていて光沢はほとんどありません。どんな状態かは、河原の丸い石の表面をイメージしていただけると感覚的に伝わるかと思います。
このザラザラの石を磨く。ひたすら磨く。現代では機械化進んでいるとはいえ、粗い目から細かい目へと十数回もやすり掛けをしていくのですから、大変な労力が必要ですよね。
ましてや平らな面をピカピカにするだけでもこれだけ大変なのですから、蓮華加工(蓮の華のようにする細かい加工)なんて気の遠くなるような作業だろうなと恐れ入りました。
このようにたくさんの工程を経て、お客様の大事な墓石がつくられているのを目の当たりにし、あらためて大切にお納めしたいという気持ちでいっぱいになりました。