和型墓石で竿石に彫刻をいれる際には、一般的に「家名」か「宗派に関する文字」のどちらかを彫刻することが多いです。
家名を彫刻する場合
代表的な例としては、「佐藤家之墓」「先祖代々之墓」「佐藤家先祖代々」「佐藤家先祖代々之墓」などがあります。
各宗派によって彫刻する場合
それぞれ宗派によって彫刻する文字の例としては以下ものがあります。
- 浄土宗
- 南無阿弥陀佛
- 浄土真宗
- 南無阿弥陀佛/倶會一處
- 臨済宗
- 南無釋迦牟尼佛
- 曹洞宗
- 南無釋迦牟尼佛
- 日蓮宗
- 南無妙法蓮華経
- 日蓮正宗
- 妙法蓮華経
- 神道
- 先祖代々之奥津城
- 天理教
- 先祖代々之奥津城/○○家奥津城
代表的にこれらのように彫刻されることが多いです。
必ずそのように彫刻をしなければいけないという決まりではございませんので、同じ宗派のお墓が周りにおありでしたら周囲の彫刻がどうされているかも一度ご確認されてみてはいかがでしょうか。
彫刻する書体について
一般的に多く使われている「楷書体」、筆書きのような味わいがある「行書体」、
八分隷・八分・分書とも呼ばれる歴史の古い「隷書体」などからお選びいただいております。
その他にも、ご家族様などが自筆でかかれた書を彫刻することもできます。
彫刻のことで迷われた場合は、ぜひご相談下さいませ。
乙部
私たち日本人はお盆やお彼岸、命日にはお墓参りに当然のようにお参りに行きますよね。
そういえば、お墓っていつからあるんだろう…?そんな、お墓の歴史を今回はお墓ディレクターの本間が調べて参りました。
始まりは縄文時代?
お墓参り。調べてみるとその歴史は縄文時代に遡ります。
青森県で発見された「三内丸山遺跡」は縄文時代を代表する遺跡ですよね。お墓になんの関係があるの?と思われるかもいらっしゃるかもしれませんが実はこの三内丸山遺跡が「日本人のお墓の原点」なのです。遺跡発掘の際、当時住んでいた人々の集落跡が発見されています。そこには海から村落へと続く道路沿いにたくさんのお墓お墓を作っていることが判明したのです。
村に入るときには必ずお墓の前を通らなければ集落には着けない地形になっています。おそらく人々は海からの恵みを村に運ぶ際に「今日はこんなに大量だったよ」と亡くなった親やご先祖様に報告したり捧げものしていたのではないでしょうか。まさに現代のお墓と同じように、亡き人に語りかけていたんですね。また、大人のお墓とは別に、子供のお墓を自分たちが暮らす家のすぐそばに造っていたそうです。その光景に縄文人の愛情が感じられませんか?お墓の原点が遺跡から発見されるとは驚きですね。
お墓の歴史はあたらしい!?
日本人にとって、亡き人を敬い身近に感じていたことは、仏教が伝来する何千年も前から人々の心に根付いていたものと考えられます。
では、現代のように「お墓」としての形が出来上がったのはいつ頃かというと、意外と新しく江戸中期の頃からだと言われています。しかし、その頃はまだ一部の富裕層を中心としており、一般庶民には遠い存在だったようです。そして、時代を経て昭和30年ころにようやく日本が豊かになり、霊園という形態の墓地が定着してきたことがお墓の広がりへと結び付いて行きました。また、お墓と言ってもそのとらえ方に変化が見られます。元来は一族で守るという意識がありましたが、戦後の新民法によって家族制度が希薄となり、一家の墓から個人の墓へと考え方も多岐にわたっていくようになりました。
お墓は心の寄りどころ
皆様、お墓参りに行かれた時のことを思い出してみてください。お墓を掃除し、お花や供物を奉げ、手を合わせてご先祖様を思い浮かべるのではないでしょうか。家族の健康を願ったり普段の生活の中で起きた様々なことや中には悩み事などを語りかける方もいらっしゃると思います。そんな時、なんとなく心がすーっとなることはありませんか。私たち日本人は無意識のうちにお墓を心のよりどころしてとらえているのではないでしょうか。時代の流れによってお墓も変化をとげておりますが、この心だけはいつまでも持ち続けたいものですね。
本間
お墓参りに行くときの服装はどのようなものがいいのか迷われる方もいらっしゃると思います。
お墓参りの服装は、お墓参りの内容によって変えるといいようです。
お墓参りの服装は?
お葬式やご法要などの特別な日以外にお墓参りに行くときには普段着で構いません。
ただ、派手で華美な服装は避け、あまりカジュアルになりすぎないようにしましょう。
アクセサリーなども石に当たると墓石を傷つけてしまう可能性もあるので注意してください。
お墓のお掃除として行く場合には、動きやすく濡れてもよい格好が良いでしょう。
ご法要の日には喪服か準喪服を着るのがマナーとされています。
内容に合わせて服装を選んでみてください。
喪服はなぜ黒い?
喪服はなぜ黒なのでしょうか?
現代日本の喪服は黒ですが、実は昔は白だったのです。
「日本書記」などの古い書物では、白だったとされています。
しかし、平安時代に法令で「天皇は直系二親等以上の喪の際には、墨染めの色を着用すること」と定められたのをきっかけに、黒の喪服が少しずつ広まり、平安後期には一般的に黒が着られるようになりました。
室町時代になると、黒い布を染めるには手間がかかるということから、庶民の間では白い喪服が使われました。
その後、明治時代には皇室の喪服が黒と定められました。
戦争が始まると葬儀も多くなり、一般庶民も汚れやすい白よりも黒を着るようになり、戦後は急速に黒い喪服が広まったということです。
太田
先日の私のブログでは、お墓参りのお花についてご案内差し上げました。
お墓のお花については、お参りの時に持参するお花のほか、お墓にお花を植えたいというご希望をいただく事もあります。
お墓に花を植えたい
お墓は墓石だけですと無機質になりがちですが、お花などが植えられていると心が和む気がいたします。
故人が好きだったお花や植物を植えることで、供養の気持ちを表せますし、お参りに来られたかたの気持ちをほぐす事もできるかもしれません。
ただ、お墓参りに持参するお花と同様に、植える植物についてもいくつか注意が必要になりますのでご紹介いたします。
墓石の汚れ
まずは、お墓への植栽を禁止していたり、植えても良い植物を限定している霊園もありますので確認が必要になります。
根が張りすぎる植物は、石塔や外柵、納骨室にまで入り込みヒビを入れてしまったり、石を持ち上げてしまったりします。
背が高く伸びる植物、葉が多い植物なども、こまめな剪定や落ち葉の掃除などが必要になります。
濃い色のお花が咲く種類については、花びらなどが墓石に落ちますと、色が付き落ちなくなったというお話も良く聞きます。
まわりのお墓に、種が飛んでいって開花したり、落ち葉や花粉などで迷惑がかからないよう、慎重に選んで楽しみましょう。
成田めぐみ
お墓参りに行くと石塔や墓誌(墓標・法名碑)に名前とは別に戒名を彫刻しているのを目にすると思います。
そもそも戒名とは何か?
戒名とは厳しい戒律を守って仏門に入った人が授かる名前のことです。
つまり「戒名」「法名」は仏教に帰依した僧侶や信者のみに与えられた名前のことを言います。
本来は生きている間に戒を受けて、仏教者として生活を送ることが理想だそうです。そのため、大半の寺院では生前に戒名を授かることを「生前戒名」をいただく事を望ましいと提唱しているそうです。
しかし、現代では普通に生活していくうえで絶対に必要なものではないため、亡くなってから戒名が授けられるというのが一般的だと思います。
宗派別の戒名の特徴
戒名は宗派によって呼び方が違うことをご存知ですか?
- 天台宗、真言宗、浄土宗、曹洞宗、臨済宗は「戒名」
- 浄土真宗は「法名(ほうみょう)」
- 日蓮宗は「法号(ほうごう)」
戒名を用意する前に、故人のお人柄を尊重し反映して頂きたいというお考えをご住職にお伝えください。
どんなお悩みもプロとして適切にそしてお気持ちを汲んでご提案していきます。
寺澤