鹿野大仏
鹿野大仏(ろくやだいぶつ)は、東京都西多摩日の出町にある塩澤山宝光寺(えんたくざん ほうこうじ)境内の鹿野山に建立された大仏さまです。お姿は釈迦如来の坐像で、2018年4月に完成した総高さ18メートルの銅像ということで、10メートル級の大仏さまとして一番新しい像になります。
1539年に塩澤山寳光寺(宝光寺)は開山されました、一度改宗しており、もともとは源頼朝にゆかりがある天台宗に菩提寺があり、聖観世音菩薩を本尊とされてきましたが、曹洞宗となり大仏さまのお姿でもある釈迦如来を本尊されました。
大仏さまの起源としては、昭和後期に七堂伽藍(すべての諸設備が調っているお堂) を整備する大事業を成し遂げた八坂昭道という住職(32世住職)が、西多摩を仏教の発信地にしよう発願し、釈迦如来の大仏の造立を誓願したのが始まりとされています。
しかし、八坂昭道は1995年に急逝してしまい、その遺志を長男・良秀(33世住職)に引き継がれました。計画をすぐに実行することはありませんでしたが、2011年3月11日に発生した東日本大震災で仲の良かった友人(修行仲間)を亡くしたことをきっかけに、寺院経営が厳しくなっていったようです。賛同者を募り資金を集めることもなく事業を進めようとしていたところ、檀信徒のなかからは「造立に協力したい」という声も湧き上がったとのことです。
どんなに実現したい思いでも、一人でできることには限りがありますし、道中いろんなことが起こります。そんな中、気にかけて声をかける人も声を掛けられる人も、おそらく普段から人情に厚い人柄なのだと思います。私もそういう人を目指して頑張りたいと感じました。
堤