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神道の仏壇は祖霊舎!祀り方とお参りの知識

神道のお供え物

仏教では亡くなった人は仏様になると考えられており、仏壇に手を合わせてお参りします。

一方、日本には古くから「神道」という宗教も存在していますが、こちらは亡くなった人は神様になると信じられています。

実は仏教と神道ではご先祖様の供養の方法が異なるので、その違いを知っておくことは大切です。

ここでは神道における仏壇的存在の祖霊舎について、また祖霊舎と仏壇の違いやお参りの方法、仏壇と共存する際の注意点などをご紹介します。

神道における仏壇は祖霊舎という

仏教では各家の宗派に合った方法でご先祖様をお祀りします。
仏壇やお参りの方法も宗派ごとに異なりますが、どの宗派も基本的にご本尊となる仏像をお祀りするのが特徴です。
仏壇にはご先祖の御霊が宿っているとされる位牌を置き、おもてなしの気持ちから仏壇や仏具も華やかな金色や漆塗りなどを使用したものが多く見られます。
仏教では仏様を通じて、あの世にいるご先祖様を供養します。

一方の神道では、仏壇にあたる祭壇のことを「祖霊舎(もしくは信徒壇)」と呼びます。祖霊舎は仏壇とは対照的に、質素な桧や栓(せん)、欅材などの素地を生かした白木作りのものが一般的です。
これは神道の考え方によるもので、「偽りのない本当の姿」を表しています。

仏教では仏様を通じてご先祖を供養しますが、神道ではご先祖が神様そのものになるという考え方のため、位牌や仏像を置きません。亡くなった人やご先祖が、その家の守り神となり代々子孫を守っていくと考えられています。祖霊舎の前で、ご先祖と直接向き合って供養するのが神道の特徴です。
祖霊舎には大型の祭壇形式のものから小さいものまで、さまざまな大きさがあります。

仏教の仏壇との違いと特徴

仏教の場合、仏壇と同様に仏具も金色や漆塗りなどのきらびやかなものが使用されますが、祖霊舎の神具はとてもシンプルなものが多く見られます。さかきや酒などを入れる容器は、白瀬戸物の土から造られる陶器のものが一般的で、他には白木作りの台などが使用されます。

神道では「さかき・ご神酒・米・塩・水・ローソク・鏡」の7点が基本的な供物とされ、それぞれに意味があります。

例えば、さかきは「一族の繁栄を願う」ためのもの、水は「すべての生き物のいのちの源」、ローソクは「聖なる場所を清める炎」などです。
また鏡は「心の中の神様を映し出す」ものとされており、清らかな心で神様と向かい合うために必要な道具と考えられています。他にはその時々の季節のものや、亡くなった人の好きなものなどをお供えするといいでしょう。

もし、自宅に神棚がある場合には、神棚よりも下の位置に来るように祖霊舎を安置します。

配置する向きは南向きか東向きがいいとされていますが、配置的に無理な場合はあまりこだわらず、家族みんながお参りしやすい場所に置くといいようです。

霊璽(れいじ)は基本的に目に触れてはいけないもの

仏教では位牌に亡くなった人の御霊が宿っていると考えられていますが、神道では位牌の代わりに「霊璽(れいじ)」が用いられ、別名を「御霊代(みたましろ)」ともいいます。霊璽はもっとも神聖なものなので、祖霊舎の中でもっとも丁寧に扱うものとされています。

そもそも神道では、神様はとても神聖なため、直接目にしてはいけないものと考えられています。
そのため、霊璽には鞘(さや)と呼ばれる蓋が付いており、常に人の目に触れないようになっています。
また、祖霊舎の扉はいつも開いていますが、霊璽が入っている内側の扉は常に閉めておくのが特徴です。

霊璽には鏡型などさまざまな形がありますが、一般的なのは白木の角型のものです。
霊璽の表には「霊号」を、裏には亡くなった年月日と亡くなったときの年齢を記載します。霊号とは、神社の神職につけてもらうもので、一般的には氏名の下に「命(みこと)」を付けることが多いようです。
また、子どもの場合は、氏名の下に「彦」や「姫」が付きます。
霊璽には一人用のもの以外にも、10名分くらいまで一緒に供養できる回出型のものもあります。

お参りとお手入れの基礎知識

祖霊舎のお祀り方法は、基本的に神棚と同じと考えていいようです。
お供えするさかきは、毎月1日と15日に新しいものに取り替え、水はその日初めて汲んだ水をお供えするのがいいとされています。その他のお供え物については、毎日新しいものを捧げるのが決まりです。

地域によっては、かけわらと呼ばれる器を2枚使用して、片方の器からもう片方へお米を手でつまんで移し換えるというお参り方法もあります。
お米の量や移す方向などもそれぞれなので、自分の地域の方法に則って行うようにしましょう。

お参りは神社や神棚と同様に「二拝・二拍手・一拝」が基本です。
祖霊舎に向かって2度深くお辞儀をして、2回柏手を打ち、最後にもう1回深くお辞儀をします。自宅に神棚がある場合は、まず神棚にお参りしてから祖霊舎へお参りしましょう。

祖霊舎は白木作りのものが多いため、汚れが目立ちやすいというデメリットがあります。日頃からこまめにハタキなどで汚れが溜まらないように気をつけましょう。
中には塗装でコーティングされたものもあり、こちらは日焼けやカビの防止にもなり、濡れた布で拭くことができるなどお手入れの手軽さも魅力的です。

仏壇が共存する場合に注意

家庭によっては仏壇と祖霊舎の両方を祀っているケースもあるでしょう。日本には古くから「神仏習合(しんぶつしゅうごう)」という考え方があり、神様と仏様を一緒に祀ることは決してタブーではありません。

仏教では亡くなった人は仏様、神道では亡くなった人は神様(守護神)になると考えられています。
一般的に仏壇は神様よりも低い位置に祀るのが基本とされているので、仏壇は祖霊舎より低い位置に祀るようにしましょう。同じ部屋に仏壇と祖霊舎の両方を祀っている場合は、お互いが向かい合わせにならないようにすることが大切です。
これは、どちらか一方にお参りしているときに、もう一方に背を向けてしまうため大変失礼なことにあたります。真向かいにならないように気をつけておけば、はす向かいになるのはよしとされています。
また、神棚と祖霊舎が同じ部屋にある場合は、神棚の方を高い位置にするよう気をつけましょう。

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