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無縁墓にしない!神道式でも永代供養墓は年々増えてきている

公開日:2016/4/1

無縁墓

日本では先祖代々のお墓は長男が責任を持って受け継ぐという伝統がありました。しかし、少子高齢化に伴って後継ぎ自体が途絶え、その結果、無縁化してしまうお墓が増えています。

お墓参りや掃除をしてくれる者が誰も存在せず、ただ取り壊されるのを待つだけというのは非常に悲しいものです。

そうした問題を解消する手段の一つとして永代供養墓の活用があります。ただ、永代供養墓についてよく知らないという人も多いでしょう。

そこで、お墓の継承者がいなくて困っているという人のために、永代供養墓の仕組みや注意点などについて解説をしていきます。

そもそも永代供養墓ってどんなもの?

永代供養墓とは墓参りや供養をお寺や霊園側が定期的に行ってくれるお墓です。

もちろん、一般の人がお参りするのも自由ですが、お参りする人の有無にかかわらず、お寺や霊園側が責任を持って管理してくれるというわけです。

これならば、お墓を継承する者がいなくなり、荒れ放題になってしまうのを防ぐことができます。

永代供養墓の造りは普通のお墓と同様のものから合祀墓や合葬式納骨堂形式のものまでさまざまです。

ちなみに、合祀墓や合葬式納骨堂の場合は地下のスペースに複数の遺骨が納められ、その上に大きな石碑などを設置するというのが一般的な形となります。

また、永代供養と聞くと永久に供養をしてくれるというイメージがありますが、実際はそうではありません。永代の期間は契約内容によっても異なるものの、だいたい13年~50年くらいです。

そして、契約期間が終了した後は今まで個別に埋葬されていたとしても、改めて共同墓地に移されます。

そのため、永代供養墓に要する費用も種類や契約の期間によって数十万円~数百万円程度まで大きな差が生じてきます。

合祀墓ならば新たに墓石を用意する必要もないので契約費用はかなり安くなりますが、個別の墓石を用意して契約期間が長期に及べば費用もそれだけ高くなるわけです。

費用の内訳としては供養・管理費用、納骨時のお布施、墓誌に名前を彫る費用などがあります。

したがって、永代供養墓を選ぶ際には、こうした費用の内訳を見て本当にそれが必要なものかを判断すればよいでしょう。

さらに付け加えると、永代供養墓には従来のものの他に、樹木葬や桜葬といった自然葬の形を取り入れたものが出てきています。

特に桜葬は日本人に愛されている桜の木の下で眠るということで密かに人気となっている埋葬法です。

無縁墓にはどんな問題がある?

先祖代々引き継いだお墓も無縁墓になってしまうと管理する者がいなくなってしまいます。すると、墓前の花は枯れ、墓石は苔によって覆われ、周囲は草でぼうぼうになってしまうでしょう。

それでは先祖代々の供養という役割が果たせません。

しかも、自分のお墓だけならまだよいのですが、苔や雑草の種が風で飛ばされると周囲のお墓まで荒らしてしまう結果となります。

以前はこうした墓を墓地の管理者が処分しようとしても法的な制約があり、難しい面がありました。しかも、少子化に伴って無縁墓の数は次第に増加を続け、社会問題になりつつあったのです。

そこで、1999年5月1日に施行された「墓地、埋葬等に関する法律施行規則第3条の改正」によって管理料が3年以上未払いのまま放置された墓は権利を持つ者に対して公告を行い、申し出がなかった場合は無縁仏として改葬をしてもよいことになりました。

ただ、それでも、無縁墓になってからかなりの期間、周囲に迷惑をかけることになるのは確かなので、できればこうした状況は避けたいところです。しかも、無縁墓の増加は別の問題も生み出しています。

無縁墓となり、不要となった墓石は本来であれば処分場で細かく砕かれて道路工事の砂利などに使用されるのですが、適切な処理が行われず、不法投棄されるケースが出てきているのです。

自分の家の墓石が山奥などに捨てられるというのはぞっとしない話ですし、その土地の持ち主にも多大な迷惑をかけてしまいます。

そこで、自分が生きている間に墓石を撤去して墓地の区画をお寺や霊園に返却する「墓じまい」を選択する人が増えています。そして、代わりに遺骨を納める場所として注目を集めているのが永代供養墓というわけです。

神道式の永代供養墓も年々増加中

永代供養墓と聞くとお寺などで行う仏式のイメージが強いでしょう。そもそも、供養という言葉は仏教から派生したものです。

それでは神道式の永代供養墓はないのでしょうか。

結論からいうと、神道式の永代供養墓は存在します。

ただし、昔からあったわけではなく、永代供養を希望する人が増加するにしたがって神社側もそれに対応するようになったというのが実情です。

現在ではその数も増え、宗教宗派を問わずに永代供養を受けている神社もあります。また、料金に関しても仏式と同じで、遺骨の安置方法によって数十万円~数百万円といった大きな幅が存在します。

一方、仏式との違いとしてはお墓の場所が挙げられます。

仏式の場合はお寺の境内にお墓が設置されているのが一般的ですが、神道では神様と仏様は分けるという考え方から神社から少し離れた場所に永代供養墓が建っているケースが多いです。

その管理も神官によって行われているため、供養は祭祀と呼ばれ、その方法も当然神道式となります。祭祀の時期は神社によってさまざまですが、一般にはお寺と同じくお盆や彼岸に行うところが多いようです。

ちなみに、お盆に行われる祭祀を祖霊祭、春彼岸に行うものを年祭、秋彼岸に行うものを霊祭と呼びます。

さらに、神道式の永代供養墓に入ることになると、仏教の49日に当たる50日祭までは故人の霊は仮の御霊舎に祀られます。

そして、50日祭の後に清祓の儀を行って故人の御霊を霊璽に移し、祖霊舎とよばれるお社に納めるというのが通常の段取りです。

以上のように、同じ永代供養墓でも仏式と神道式ではいくつか違いがあるという点は理解しておいた方がよいでしょう。

後継者がいない場合には永代供養墓を検討しよう

自分に代わってお墓を継承する人間がいない場合、そのお墓はいずれ無縁墓になってしまいます。

そうなると、お墓が荒れ放題になるだけではなく、苔や雑草の種などが周囲に飛散するなどして他人にも多くの迷惑をかけることになりかねません。

それを避けるには先祖代々のお墓を墓じまいして永代供養墓に切り替えるという手があります。仮に、自分の家が神道だった場合でも神道式の永代供養墓もあります。

ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

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