檀家がお布施を払うのはどんなとき?相場はいくら?


檀家とは「寺や僧を援助する庇護者」というサンスクリット語が語源であり、特定の寺院に所属して寺を支援する家のことを指します。檀家になることで、葬祭や供養をその寺院に任せ、お墓の管理や手厚い供養などが受けられるようになります。その代わりとして、檀家はお布施や寄付を渡すなどして寺院を経済的に支援するのです。檀家になるとお布施を渡す機会は多く出てきます。
そこで、今回は、お布施の相場や渡すタイミングについて解説していきます。

檀家が負担する費用は多い

寺院の維持運営のためにかかる費用は、主に檀家の寄付やお布施によって支えられています。檀家契約書や墓地契約書などの必要書類に記入し、入檀料を支払うことで檀家になることが可能です。
檀家になるときに支払う入檀料ですが、相場は10万~30万円程度で、位牌を位牌堂に安置するときは別途費用がかかります。(※1)
その後も維持費などの名目で、お墓の管理や清掃といった寺院の管理運営を円滑に行うために年間で5,000~2万円程度の費用負担が生じてくるでしょう。
また、春と秋の彼岸会、7月か8月に行われる盆会、秋ごろの十夜法要といった寺院の行事の際にもお布施を渡すのが一般的です。仏教ではお寺の施設はすべて檀家の共通財産という考えであるため、お寺の関連施設の修繕や改修の際には、檀家に寄付が求められることがあります。
さらに、葬儀や法要、月命日の読経、戒名や法名を授かるときなど、その都度お布施を渡します。(※2)
檀家となった寺院に対して、お布施としてお金を支払う機会が多く出てきますので、負担する費用は思っている以上に大きいのです。

お布施は謝礼として渡すもの

月命日や法要の祭は、檀家となっている寺院に依頼をして読経をしてもらいます。
また、葬祭の際には戒名や法名をつけてもらうこともあるでしょう。そのようなときに謝礼として僧侶へ渡すのがお布施です。一般的にお金を包むときは水引をつけない白封筒に入れて、「お布施」と表書きをします。
ただ、何も書かなくても大丈夫です。渡す相手に不幸があったわけではありませんので、不祝儀袋は使用しないよう注意しましょう。僧侶へは、直接ではなくお盆に乗せて渡すのが望ましいです。
お布施は読経や戒名・法名に対する対価ではなく、感謝の気持ちとして渡すものですので決まった金額がありません。檀家の経済状況に応じて、自分が支払える金額を出すのが本来の形となります。
しかし、寺院や地域などによってお布施に対する考え方が異なるため、お布施の適当な金額がわからないことも出てくるかもしれません。
どのくらいの金額を包んだらいいのかわからないときは、「相場について調べる」「他の檀家に聞いてみる」ということが賢明です。(※3)

お布施と寄付は別もの

檀家となった寺院に対して、読経などの際にお布施という形で謝礼を支払うだけでなく寄付を求められることがあります。寄付は主にお寺やその周辺施設の修繕や改築の費用を集めるために、檀家が寄進するものです。寄付は絶対にしなければいけないわけではありません。
しかし、檀家は菩提寺を経済的にサポートする立場ですので、お布施と同じく自分ができる範囲で行う必要があるでしょう。檀家にはその審議機関である護寺会があり、檀家の中から役員が選出されます。お寺の修繕や改築に関しては、その護寺会によって審議されて決まることがほとんどで、その際に予算の概算や費用負担についても話し合われるのです。
費用負担の割り当てに関しても、「檀家すべて一律の金額負担を求める」「段階別に金額を分けて檀家の経済状況に応じて適した金額を負担してもらう」など、さまざまです。費用が集まらなければ、檀家の費用負担が増えることもありますし、修繕自体ができなくなることも出てきてしまうでしょう。
そのため、お寺の修繕や改築に関する寄付は任意という名目ですが、義務的な意味合いを強く持っているのです。
また、お寺によっては檀家に対して具体的な寄付金額を提示してくることもあります。
示された寄付金額が支払えないようなときは、住職や護寺会の総代に相談してみましょう。(※4)

相場はあるが差が大きい

お布施は基本的には謝礼ですので決まった金額がありませんが、多くの方が相場に基づいた金額を包んでいます。
たとえば、葬儀の際には僧侶に読経をしてもらいますが、お通夜と告別式2日間分をまとめて渡すことが一般的です。僧侶ひとり当たりに対して、関東地方では20万~35万円、関西地方では20万円前後が平均相場になります。戒名料として渡すお布施は、地域というよりも宗派が金額に大きく影響してくるでしょう。戒名の位や宗派によって相場額が変わってきますが、最も低い位で曹洞宗や真言宗などが30万~50万円が相場であるのに対して、浄土真宗は10万~30万円です。
葬儀の後は四十九日法要や一周忌、三回忌などの法要を行いますが、その際にも読経のお礼にお布施を渡します。三回忌以降の法要の相場は1万~5万円ですが、四十九日と一周忌法要の場合は3万~5万円です。故人が亡くなって初めて迎えるお盆には、初盆の法要を行いますので約3万~5万円のお布施を渡すことが多い傾向です。
また、法事法要の際には自宅や会場に僧侶を呼びますので、お布施とは別にお車代(5,000~1万円が相場)を渡しますし、他にもお彼岸や月命日などお布施を渡す機会は何度か出てきます。
相場の金額を地域別でみると、関西圏よりも関東圏や中部地方は全国平均よりもお布施の金額が高くなりがちです。(※5)
相場といっても地域やお寺の格式や宗派、檀家とお寺の関係性などさまざまな事情に応じて金額が大きく変わることがあります。いろいろな事情を考慮したうえで、適した金額を包むようにしましょう。

金額を相談してもかまわない

お布施の相場金額を調べても、地域やお寺の格式など諸事情が絡んでくると妥当な金額がわからなくなることがあります。檀家としては菩提寺に対して失礼にならないように、適した金額を包みたいと考えるでしょう。
なぜなら、お布施の金額が原因で菩提寺との関係が悪化してしまったり、トラブルになったりすることも少なくないからです。菩提寺と今後も長く付き合いを続けていくつもりであれば、お布施の適切な金額を事前に調べておくことが良いでしょう。
お布施の金額について知りたいときは同じ菩提寺の檀家に聞いたり、お寺に直接訪ねたりしてみるのも手段のひとつです。お寺にお布施の金額について直接聞いても、決して失礼にはあたりません。
ただし、お寺に金額について聞くときは聞き方にも注意が必要です。「どのくらいお布施を包んだらよいですか?」といった聞き方をしてしまうと、「お気持ちで結構です」と返されることがほとんどでしょう。
そのため、「皆さんいくらくらいお布施を出していますか?」などと聞いたほうが、具体的な金額を教えてもらいやすいといえます。

(※1)【一般社団法人全国有料石材店】「檀家になるって具体的にどんなこと?」
http://www.zenyuseki.or.jp/knowledge/manage/danka.html

(※2)【一般社団法人全国有料石材店】「檀家と費用」
http://www.zenyuseki.or.jp/knowledge/manage/dankaHiyou.html

(※3)【ここからはじまるエンパーク】お布施
https://en-park.net/words/1372

(※4)【恥をかかないためのマナーの手引書】檀家に関する事
http://manner-jp.com/dankakifu/

(※5)【ここからはじまるエンパーク】お布施の目安早見表
https://en-park.net/books/8133

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