社会の核家族化や少子高齢化が進んだことの影響でお墓についての考え方やお墓のスタイルも変わりつつあります。
特に注目されているのが永代供養ですが、これまでのスタイルとは大きく異なるため、分からない点が多くて不安という人も少なくありません。その中でも納骨についてはしっかりと知っておきたいものです。
ここでは、永代供養はどのようなものなのか、永代供養を選んだ際の納骨はどのようにすると良いのかを詳しくご紹介します。
納骨はしないとダメ?
永代供養を考える前に知っておきたいのが、納骨についてです。納骨とは文字どおり骨(遺骨)をお墓に納めることをいいます。
一般的には四十九日の法要の際にお墓に納骨することが多いですが、納骨は必ずしもしなければならないものではなく、納骨を義務とする法律もありません。
実際に、亡くなった人と離れがたい気持ちから遺骨を自宅で保管したり、ペンダントに入れて肌身離さず持っている人もいます。(※1)
また、遺骨から抽出した炭素でダイアモンドを作るダイアモンド葬という供養のしかたもあります。(※2)
さまざまな供養の形のうちの1つとして納骨があるのです。
納骨は、しなければならないから行うのではなく、遺された方々の節目とするべく行われています。(※3)
しかし、いくら法律で義務とされていないとはいえ、どこにでも納骨して良いわけではなく、認可された墓所以外への納骨は禁止されています。
そのため、手元に置いておくほかには必ずどこかに遺骨を納めることになるのです。
永代供養はどんな形がある?
永代供養と一言でいっても、その種類はさまざまです。代表的なものには合葬墓、自然葬、散骨、納骨堂、永代供養付きの一般墓所などがあります。合葬墓は、他の人の遺骨と合わせて埋葬するお墓のことです。
血縁関係の範囲を超え、いろいろな人が1つのお墓を共同利用するスタイルになります。1人ずつの埋葬より比較的費用が安いのが特徴です。(※4)
自然葬は、海や山などの自然に回帰するという意味合いを持つ埋葬方法です。古くから存在しており、樹木葬がよく知られています。
また、自然葬の中でも海や宇宙に遺骨をまくものを散骨といいます。自然葬を希望する場合は、生前に遺言書やエンディングノートに記載して意思表示しておく必要があります。
遺体遺棄と間違われないように業者への手配などの準備も欠かせません。(※5)
納骨堂は、遺骨の入った骨壺を個人や夫婦などの単位ごとに納めておける建物のことです。ロッカーやマンションのようなイメージで、墓地用の土地が不足しがちな都市部で増加しています。
これまでのお墓から改葬をする場合も多いです。(※6)
永代供養付きの一般墓所は、基本的には一般的なお墓と変わりませんが、永代供養がついているもののことをいいます。管理と供養をお寺が代わりに行ってくれるため、将来的に無縁仏になってしまう心配がありません。(※7)
永代供養を選ぶ人の特徴
それでは、実際にどんな人が永代供養を選んでいるのでしょうか。それは、永代供養の特徴を見るとよく分かります。永代供養は永代的に供養をしてもらえる供養スタイルで、家族が自分たちで管理や供養を続けていく必要がありません。核家族化が進むにつれ、後継していく人がいなくなるお墓が増えています。
また、家族が遠方に住んでいるなどの理由でお墓の管理が満足にできない場合も少なくありません。
そのため、無縁仏になるなどしてお墓が放置されてしまう可能性のある人には永代供養が向いているといえるでしょう。
また、既存のお墓がないという人にも重宝されています。お墓は基本的に自由に購入することができますが、その費用が高額だったり墓地に空きがなかったりして建てられないという人も多くいます。永代供養には合葬墓や納骨堂のように比較的安価で納骨場所を確保できるものや、遺骨そのものを自然に還す自然葬がありますので、お墓を持っていない人でも安心です。
それから、永代供養墓は宗教や宗教を問わず募集しているところが多いので、檀家になることを条件とするところを選ばない限り無宗教の人にも利用しやすいのが特徴です。
また、こちらも自然葬が注目されており、宗教を持っていなくても樹木が墓石や位牌の代わりに見立てられる樹木葬が人気です。(※8)
永代供養で納骨する方法は?
永代供養での納骨方法はそれぞれのスタイルによって異なります。
まず、合葬墓は、遺骨をほかの人の遺骨と一緒に納めるものです。骨壺に入れたまま1人ずつの場合もあれば、ほかの遺骨と混ぜる場合もあります。後者は遺骨自体が完全に混ざるため、後に特定の人の遺骨だけを取り出すことはできなくなります。改葬は難しいので注意が必要です。
納骨堂は1人用、夫婦用、ファミリー用などの種類があるマンションのような埋葬壇に納骨します。タイプにはロッカー式、仏壇式、機械式などさまざまあり、好みに合わせて選ぶことが可能です。
毎年の管理費を払う間は永代的に供養をしてもらえますが、33回忌や50回忌などを節目に遺骨を合葬墓に移すところもあります。(※9)
自然葬の場合は、さらにどこに埋葬するかで方法が異なります。
まず樹木葬は木の下に納骨するものですが、土の中に遺灰を埋めてから植樹するものと、木の根元に遺骨を散骨するものに分かれます。家族単位ではないため、家族ではない人やペットなどとも一緒に埋葬できることで人気です。海や空、宇宙に散骨するスタイルでは、前述したように遺体遺棄と間違えられないための区別をつけることが重要です。死体等遺棄罪に触れてしまわないように、遺骨をまく前にパウダー状に粉砕する必要があります。自宅の庭や山、川などにまく場合は自分たちで行ってもかまいませんが、海にまく場合は業者や船のチャーターなどの依頼が必要です。
また、骨の粉砕を遺族が行うのはつらい作業のため、その作業を業者にしてもらうこともできます。(※5)
納骨まで考えて永代供養を選ぶ
どの永代供養も家族に代わって永代にわたり供養してもらえるという共通点がありますが、それぞれ納骨方法に違いがあります。
さらに、どの納骨方法が合っているのかも、家族構成や住んでいる地域、埋葬に対する考え方によって変わります。
納骨したあともいつも拝みに行きたいのか、将来的に改葬する可能性があるのかなどを視野に入れてどの永代供養にするのかを決めることをおすすめします。
(※1)【未来創想】遺骨を自宅で保管してもいいの?
https://www.miraisoso.net/blog/?p=1357
(※2)【アルゴダンザ】ダイヤモンド葬~全てのお骨をダイヤモンドに~
http://www.algordanza.co.jp/funeral.html
(※3)【創業四百年石長】おさえておくべき納骨の時期や手順
https://www.ishichou.co.jp/ohaka/about_grave/noukotsu
(※4)【創業四百年石長】合祀とは?合葬とは?その埋葬方法と費用
https://www.ishichou.co.jp/ohaka/about_grave/goushi
(※5)【遺品生理ワンズライフ】自然葬とは?散骨葬や樹木葬などの新しい葬送の形
http://ihinseiri-oneslife.com/ending/funeral/f2/
(※6)【創業四百年石長】「納骨堂」とは?埋葬のスタイルと注意点
https://www.ishichou.co.jp/ohaka/about_grave/noukotsudou
(※7)【永代供養墓普及会】永代供養付墓地
https://eitaikuyou.net/eitai-bochi
(※8)【メモリアルサービス】無宗教でも永代供養は可能でしょうか?
https://www.memorial-service.co.jp/blog/eidaikuyou/blog912/
(※9)【いいお墓】永代供養墓・納骨堂
https://www.e-ohaka.com/eitai-noukotsu/