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墓じまいに関する儀式~閉眼供養と開眼供養

公開日:2022/7/14

なんらかの事情でもともとあったお墓の墓じまいを行い、ほかの墓地に新しくお墓をつくる人もいることでしょう。

このときに覚えておきたい作法として、「閉眼供養・開眼供養」があります。

閉眼供養・開眼供養とはいったい何? その意味とは

「閉眼供養・開眼供養」は、仏教の儀式のひとつです。

仏教では、墓石に亡き人の魂が宿っていると考えます。そのため、墓じまいにあたっては閉眼供養によって魂を抜き単なる石に戻し、新しいお墓をつくるときには開眼供養によって魂を入れます。なお、閉眼供養は「魂抜き」、開眼供養は「魂入れ」などとも呼ばれます。

なおここでは、「墓じまいのとき、お墓を新しくつくるとき」に行われる閉眼供養・開眼供養を紹介しますが、これはお墓にだけに行われるものではありません。仏壇を処分したり仏壇や位牌を新しく購入したりするときに、この閉眼供養・開眼供養が行われます。

閉眼供養・開眼供養は「墓じまいをするときに行うこと」「新しいお墓をつくるときに行う作法のうちの1つ」として知られていますが、墓じまいも新しいお墓をつくるときもこの閉眼供養・開眼供養が法律で定められている訳ではありません。

ただし、菩提寺の住職から閉眼供養・開眼供養を勧められる場合や、墓じまいの際、石材店から閉眼供養が行われている墓石の解体を嫌がられる場合もありますので、事前に確認しておきましょう。

また、「閉眼供養・開眼供養」はあくまで仏教の儀式です。そのため、キリスト教などではこの儀式自体がありません。もっとも閉眼供養・開眼供養は「故人に対する供養と、お墓に向き合う人のお心を慰め、整理をつけるための儀式である」という意味を持ちます。そのため、ほかの宗教を信仰する人であっても、「供養や、自分の気持ちに整理をつけるために行いたい」ということであれば、自分が信仰する宗教団体に相談してみるとよいでしょう。

閉眼供養と開眼供養、何を行う? どうすればいい?

ここからは具体的に、「閉眼供養と開眼供養で何を行うか」について解説していきます。

・依頼先

・日程

・何を行うのか

・費用

について解説していきます。

依頼先はどこ?

原則として、自分の菩提寺に依頼します。寺院墓地であれば、その墓地を管理している寺院に連絡をすればよいでしょう。

「民間墓地で、自分の菩提寺がわからない」という場合は、ご親族から宗派などの情報を集めるとよいでしょう。

それでもわからない場合は、民間墓地の管理事務所や、墓石を建ててもらった石材店に相談してみてはいかがでしょうか。

ちなみに、昨今では、僧侶派遣サービスなどを利用することを視野に入れましょう。

なお、開眼供養と納骨式を一緒に執り行う場合は、お墓の業者にも連絡が必要です。

日程

閉眼供養は、お墓を取り壊す前に行います。僧侶の予定や、親族を呼ぶ場合は親族とも話し合って折り合いのつく日にするとよいでしょう。ただし、お盆や彼岸の時期、墓地は混み合いますし、僧侶も多忙のため、気を配って日程を決めましょう。

開眼供養は、新しいお墓に納骨を行うタイミングで行うのが一般的です。

お墓は非常に重く、また扱い方に慎重を要しますので、業者に依頼して、納骨のためにお墓を動かしてもらう必要があります。そのため、業者も調整しなければなりません。

何を行うのか

閉眼供養でも開眼供養でも、行うことは基本的には「読経」のみです。読経の前にお花や、お供え物を供え、読経の最中は手を合わせてお祈りをします。

葬儀のときほど、時間はかからず、30分~1時間程度で終わります。この後に食事などに行くケースも多いですが、これも必須ではありません。

服装は、ダークフォーマルなどを着用すれば良いでしょう。

費用

お布施としてお渡しする金額は、30000円~50000円程度が相場です。

寺院墓地以外での閉眼供養・開眼供養の場合は、「御車代」として5000円~10000円程度をお包みします。また、閉眼供養・開眼供養の後に食事の席を設けるが、僧侶は参加されないという場合は、御膳料として5000円~10000円程度をお包みします。

お布施は「御香典」とは異なりますので、黒白の水引などがついた「香典袋」には入れません。白の無地の封筒にお布施・御車代・御膳料をそれぞれ別々の封筒に入れるとよいでしょう。

※なお、墓じまいの際の墓の取り壊しや、新しいお墓の墓地代や、建立には別途費用がかかります。一概には言えませんが、おおむね150万~200万円程度を想定しておくとよいでしょう。

まとめ

仏教の儀式である「閉眼供養・開眼供養」は、故人に対する供養の気持ちや、残された人たちが心を整理するために行うものです。

「閉眼供養・開眼供養を行わなければ、墓じまいや新しいお墓に移ることはできない」ということではありませんが、礼節として覚えておくとよいでしょう。

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