「お墓を作る」という作業は、個人差はあるものの、生きているうちにそう何度も行うものではありません。
そのため、不慣れな作業に苦戦し、悪い時はトラブルに遭遇してしまうこともあるようです。
しかし、起こりがちなトラブルの例を知っておくことで、ある程度回避することは可能です。
スムーズにお墓づくりを進めるために、トラブルに関する知識を事前に身につけておきましょう。
お墓作りの際、トラブルに遭遇してしまうことも……
地域差や親族との関係、お墓にかけられる予算など、お墓作りに関する軸は個々人によって大きく異なります。
それゆえにお墓作りには明確な正解が無く、作業が難航してしまうケースも少なくないようです。
可能な限りトラブルを避け、スムーズに工程を進めるためには、起こりがちなトラブルをあらかじめ知っておくことが大きなカギとなります。
トラブルの方向性を知り、それから対策を立てることで、効率のいい作業を実現することができますよ。
次の項目から、よくあるトラブルの例についてご紹介していきますので、お墓作りのトラブル予防にお役立てくださいね。
墓つくりにまつわるトラブル：立地について親族と意見が合わない
お墓を建てる上で、立地はかなり重要な点だと言えます。
そのため、トラブルの原因になりやすいという特徴があります。
例えば、お墓を主体的に管理する人々それぞれに、異なる言い分があったとしましょう。
ただ意見が正反対なだけでも難しいのに、方向性がバラバラな主張がぶつかり合ってしまうと、事態はいよいよもって複雑さを極めます。
A：「先祖代々伝わっている土地に建てたい」
B：「自宅と墓地が離れていると管理が難しい」
C：「故人が希望したスタイルのお墓が建てられる墓地が限られている」
D：「お墓の管理には積極的に関わりたくないが、立地にはこだわりがある」
上記のようにさまざまな意見が衝突し、落としどころが中々見つからず苦戦してしまった、という意見も多く見受けられます。
こればかりは、何度も何度も話し合いを重ね、各々が折り合いをつけられる結論を出すしかありません。
一番やってはいけないのが、無断で意見を押し通してしまうこと。
親族との関係が確実に悪化するので、根気の必要な作業ですが、意見のすり合わせを徹底する必要がありますよ。
墓つくりにまつわるトラブル：見積書や契約書を出してもらえない
石材店との関わりは、お墓づくりをする上で避けては通れないもの。
良い業者に巡り合うことができればそれに越したことはありませんが、中には依頼人に対し不誠実な石材店も、残念ながら存在するようです。
良い石材店か否かを見極めるのにもっとも分かりやすいのが、スムーズに見積書や契約書を出してくれるかどうか、という点です。
何度お願いしても十分な内容が記載された書類を発行してくれない石材店は、かなり危険だと考えられます。
また、たとえ書類を出してもらえたとしても、金額や納期が記載されていなかったというパターンもあるようです。
墓石の購入は安い買い物ではありません。
安心できない業者に依頼してしまうと、後でとんでもないトラブルに巻き込まれる恐れがありますので、契約前に見分けられるよう注意を払いましょう。
墓つくりにまつわるトラブル：墓石の仕上がりが注文と異なる
こちらも、石材店にまつわるトラブルです。
契約までは問題がなかったものの、いざ墓石が出来上がってみたら注文内容と全然違う！ という事態に遭遇してしまうこともあるのだとか。
・注文した寸法と異なる墓石を納品された
・墓石の種類や産地が契約した内容とは別物
・デザインが大きく異なる
・納骨堂に水が溜まるなど水はけが非常に悪い
・仕上がりが雑で金額に見合うとはとても思えない
以上のようなトラブルが起こり、中には泣く泣く諦めたという人も少なくないようです。
これを回避するためには、やはり契約書を入念に確認するのが確実ではないでしょうか。
特に注目すべき点が、返金にまつわる項目です。
「墓石の仕上がりが契約内容と異なる場合、返金対応を行う」という旨が記載されている契約書を出してくれる石材店であれば、いざトラブルが起こってしまっても安心ですよね。
なお、ケースによっては墓石もクーリングオフが可能なようです。
1、訪問販売及び電話勧誘による契約
2、墓石購入の契約日から8日以内
この2点を満たしている場合、クーリングオフの対象となる場合があります。
いずれにせよ、墓石の購入によりトラブルが起こってしまった時は、まず消費者センターにご相談することをおすすめします。
墓つくりにまつわるトラブル：予算オーバー
霊園や墓地の使用料をきちんと把握していなかったり、墓石の要望をあれもこれもと取り入れすぎたりしたことにより、予算がオーバーしてしまうケースも。
わずかにオーバーする程度ならまだしも、大幅に超える場合は新たな候補を探すことをおすすめします。
ここで無理をしてしまうと、お墓を管理する人々に大きな経済的負担がのしかかってしまうことになります。
すべての工程にかかる費用を大まかに算出し、予算を大きく超えないよう調整を重ねることが重要ですよ。
お墓作りでトラブルを起こさないためには？
お墓作りでトラブルを起こさないために、大切なポイントは以下の3点です。
1、親族への相談が不十分なまま作業を進めない
2、石材店を慎重に選ぶ
3、お墓作りに必要な費用や期間の見積もりを欠かさない
それぞれについて、詳しくご説明していきましょう。
1、親族への相談が不十分なまま作業を進めない
一番避けなければならないのが、親族に相談しないまま独断で作業を進めてしまうことです。
いくら話し合いが難航したとしても、これをしてしまうと後々の関係に大きな悪影響を及ぼします。
親族との関係が断絶しかねない危険な行為ですので、話し合いに一切応じてくれず連絡もつかないなどの特別な事情が無い限り、相談は十分に行いましょう。
2、石材店を慎重に選ぶ
墓石の価格は安くても数十万かかるため、比較的大きな買い物だと言えます。
そのため、購入先である石材店を安易に選んでしまうと、金銭の絡むトラブルに巻き込まれる危険性が大きくなってしまうでしょう。
墓石にまつわるトラブルに遭わないためには、慎重な石材店選びが必要となります。
絶対的な正解はありませんが、以下の基準を満たしている石材店は安心できる可能性が高いです。
・見積書や契約書を作成してくれる
・経営基盤がしっかりしている
・お墓を専門にしている
また、たとえ安心できそうな石材店だったとしても、契約内容の入念なチェックを怠らないことが重要ですよ。
3、お墓作りに必要な費用や期間の見積もりを欠かさない
行き当たりばったりで作業を進めてしまうと、思わぬトラブルが発生してしまう場合があります。
予算や作業工程をギチギチに固めてしまう必要はありませんが、ある程度の枠組みを決めておくことで、作業の破綻を防げます。
大まかな軸を定めたら、あとは臨機応変に動くという心構えをすることで、確実かつ柔軟な対応ができますよ。
まとめ
スムーズに作業が進んだとしても、お墓を作るのにはかなりの労力が必要です。
負担を可能な限り減らすためにも、起こりがちなトラブルをあらかじめ把握し、予防するための策を練ることが大切ですよ。
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