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「合葬への迷い」を解決する方法とは

公開日:2024/1/10

少子化により、「墓じまいをしたい」「子どもたちに迷惑をかけたくないので、葬儀~埋葬に関してはできるだけ費用を押さえたい」ということで、合葬という選択肢を検討する人も多くいます。

この「合葬」という選択肢は非常に多くのメリットを含むものです。もちろん、「初めから合葬を希望していて、周りも合葬のかたちに抵抗感がない」という場合は、問題ありません。

ただ、「本当は合葬をしたくないが、それ以外の選択肢はなさそう」という理由で合葬を選んでしまうと、後々まで悔やむことになりかねません。

ここでは、「そもそも合葬とは何か」「合葬を選びたくないけれど、合葬を選ばざるを得ないと考えている人に提示できる選択肢」について取り上げます。

多くの人と一緒に埋葬されるのが「合葬」です

埋葬方法の一種である「合葬」は、ほかの人のご遺骨と一緒に大きなお墓(木やお堂のこともある)に入れることです。

一番初めの埋葬の段階で合葬を選択すると、個別の墓・スペースを持つ必要がないため、埋葬費用が非常に安く済みます。5万円程度で納骨することができるため、経済的な負担は非常に少ないといえます。一からお墓を建てるときの平均費用が100万円~150万円であることをかんがえれば、これは非常に大きなメリットです。

また、合葬墓に入れた場合、その墓地の管理運営団体が合葬墓のお手入れをしてくれます。そのため後継者がいなくてもお墓が荒れることもなく、また年会費などについて考える必要もありません。

このように非常に多くのメリットを持つのが「合葬墓」という選択肢ですが、同時にデメリットもあります。

合葬をした場合、ほかの人のご遺骨と混ざり合あってしまうため、基本的には改葬はできません。また、最初から合葬墓に入れた場合、個別に手を合わせるところがありません。ほかのご家族が亡くなったとき、「一緒のお墓に入りたい」と考えたのならば同じ合葬墓に入れるしかありませんし、「ほかの人と混ざりたくない」という考えを優先するのならば合葬墓と個人墓に分けて別々のお墓に入ることしかできなくなります。

加えて合葬墓は、「ほかの人と一緒になる形式であること」から、親族などのなかには強い抵抗感を覚える人もいるでしょう。

もちろん、「故人本人が合葬を希望していて、周りの人もそれに合意している」という状況ならば、合葬は望ましい選択肢です。

ただ、「本当は合葬にしたくないが、経済的な事情や、後継者不足によって、選べる埋葬方法が合葬しかない」と思い込んでいるようであれば、ほかの選択肢に目を向けることも重要になってきます。

「本当は合葬にしたくない」という人におすすめの選択肢

ここでは、「合葬したくないけど、合葬せざるを得ない」と悩んでいる人のために、解決策を提示していきます。

まずこのときの選択肢となりえるのが、

・個別埋葬期間つきの永代供養墓…一定期間経過後に合葬墓に埋葬されるが、それまでは個別で眠れる

・樹木葬…墓石を持たず、木の下で眠る

・納骨堂…屋内型の施設であり、ロッカー式や仏壇式、墓石型など多くのタイプが用意されていて、ご遺骨を納められるようになっています。

それぞれの特徴と、どのような点・どのようなタイプが、「本当は合葬したくないけど、合葬せざるを得ない」と悩んでいる人に有用かを解説していきます。

・後継者が現在いない…非常に少数ではありますが、「永遠に合葬されない永代供養墓」もあります。選択肢は限られるものの、この方法ならば家族だけで眠れますし、ほかの人とご遺骨が一緒になることもありません。

・次の世代の後継者はいるが、次世代~次々世代くらいでいなくなりそう…個別埋葬期間つきの永代供養墓は、「どれくらいの間個別で眠れるか」がプランによって異なります。13年や33年で設定されることが多いのですが、50年以上も個別埋葬期間を設けているプランもあります。「後継者が完全にいなくなった時点でなら、合葬墓に入ってもよい」とする人におすすめです。

・気持ちに整理がつくまで個別埋葬にしたい…個別埋葬期間をご家族が任意に設定できる永代供養墓もあります。年会費/月会費を払い続けることで個別埋葬期間を伸ばせるもので、これを選べば「気持ちの整理がついた時点で合葬する」というやり方が可能です。

・料金面で心配がある…納骨堂の場合、ロッカー式の簡素なものならば20万円程度から選べます。初めから合葬をする場合よりはお金がかかりますが、個別のお墓を設けるよりは費用が抑えられます。

・自然の景色を満喫させたいが、墓石ほどの料金は払えない…樹木葬がおすすめです。樹木葬の場合、多くの園が個別埋葬スペースを用意しています。墓石を建てるわけではありませんから、その費用が浮きます。

まとめ

ここでは、「合葬をしたくないけれど、合葬以外の選択肢はない」と思い詰めている人に解決策を提示してきました。また、番外編として、海にご遺骨を撒く「海洋葬」もあります。海洋葬には、ご遺骨は手元には帰ってきませんが、「自然のなかで眠る」「ほかの人のご遺骨と一緒にならない」「料金が比較的安い」というメリットがあります。

埋葬形態に正解・不正解はありません。ただ一度埋葬をしてしまうと、改葬は非常に大変です。そのため、埋葬に踏み切る前に、まずはじっくりと「どの方法がいいか」を考える必要があるでしょう。

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