「継承者がいないから、墓じまいをする」「子ども全員が遠方に引っ越して地元に戻ってくることもないので、先祖代々のお墓を墓じまいして引っ越す」などの理由で、墓じまいを考える人もいます。
今回は、このような墓じまいのときの不祝儀について考えていきます。
墓じまいだけをする場合は不祝儀は不要、納骨をする場合は不祝儀が必要
「墓じまいをするだけであり、お墓への納骨式などはしない」という場合、不祝儀は不要です。
「墓じまいをするからご参列ください」と声がかかり参列するという状況になっても、基本的には不祝儀は持参しなくてもよいでしょう。
ただし、「納骨式を行い、新しいお墓にご遺骨を納める」という場合は弔事扱いとなるので、不祝儀を持っていく必要があります。この場合は表書きは「お供え」とするとよいでしょう。この場合は、黒白の結び切りの水引を使うのが一般的ですが、双銀のものを使うこともあります。また、地域によっては黄白の水引を使う場合もあります(色を問わず、水引は結び切りとします)。
なお、お墓を新しく建てるときは「建碑御祝」「建碑祝」としてご祝儀をお渡しすることになります。「お墓を建てる」というとネガティブな印象を抱かれることが多いため、「不祝儀」ではなく「ご祝儀」を選ぶことに違和感を覚える人もいるかもしれませんが、お墓を建てること自体は喜ばしいことだと判断されるため、ここではご祝儀を出すことになります。赤と白のちょうちょ結びの水引を選びましょう。
ただし、「生前にお墓を建てることはめでたいことであるが、四十九日や一周忌などのときにお墓を建てた場合は弔事として扱われる」とする説もあります
なお、「墓じまいが一周忌法要と重なった」「新しいお墓を建てたのが法要のタイミングだった」という場合は、一般的に、弔事である法要が優先されます。
ちなみに墓じまいと納骨式を同時に行う場合の不祝儀の費用の相場は、関係性によって異なります。ただ、5,000円~30,000円程度でしょう。食事もするという場合は、この金額に5,00円~10,000円をプラスして、切りの良い数字にしてお渡しします。
「新しい墓を建てた建立祝いを行う」という場合は、10,000円~50,000円程度が相場です。
墓じまいと納骨式、建立祝いの金額は、一概に「○○円が正しい」と言えるものではありません。ご家族ごとによって考え方に違いがみられることも多くあるからです。ただ、同じ立場の人(兄弟や、叔父・叔母など)がいる場合は、金額を合わせた方がよいといえます。同じ立場にある人がいる場合は、事前に電話などで連絡を取り合い、金額をそろえましょう。
一周忌法要などの法要 | なし | あり | なし | あり |
新しい墓の建立 | なし | なし | あり | あり |
渡すお金の有無 | なし | あり、不祝儀/黒白・双銀・黄白の結び切りの水引で、「お供え」などの表書き | あり、祝儀/赤白のちょうちょ結びの水引で、「建碑御祝」などの表書き | あり、不祝儀/黒白・双銀・黄白の結び切りの水引で、「お供え」などの表書き |
寺院にお布施を渡す必要はあるか?
ここからは、「墓じまいのときにお布施を渡す必要はあるかどうか」について解説していきます。
墓じまいをする際に、ご僧侶の立ち合いや読経を必要としない場合は、原則としてお布施を渡す必要はありません。また、「墓じまいの際は閉眼供養をしなければならない」とする説もありますが、閉眼供養は仏教の宗教行事のうちのひとつにすぎず、「これをやらなければ絶対に墓じまいができない」というものでもありません。
ただし、寺院墓地からほかのところに移る場合は、離檀料としてお布施を要求されることはあります。
墓じまいをする際にご僧侶の立ち合いを求めて閉眼供養を行うという場合は、お布施を渡す必要があります。
このお布施の渡し方に関しては専門家の間でも説が分かれていて、「法要のひとつだから香典袋を使う。黒白や双銀の結び切りの水引の袋を使うのが正しい」とする説もあれば、「たしかに墓じまいは法要のひとつではあるが、ご僧侶に渡すものは『香典』ではないので白い封筒や奉書紙に包んで渡す」とする説もあります。
このどちらか片方だけが正しく、どちらか片方だけが間違っていると断定することはできません。迷ったのであれば、親戚などに、「今までどちらのやり方で渡していたか」を聞くとよいでしょう。
なお、いずれの場合であっても、表書きは「御布施」とします。
まとめ
墓じまいだけをする場合、不祝儀を持っていく必要はありません。
ただし墓じまいと一緒に納骨式などを行ったり、一周忌法要を行ったりする場合は、不祝儀を持っていく必要があります。
また、「今までのお墓を墓じまいして、新しいお墓を建てる」という場合は、建碑祝いを出すことになります。ただし「だれか特定の人が亡くなったことが理由で建てたものであり、納骨式を行う」という場合は、弔事として扱われるため不祝儀を出すことになります。
墓じまいの際にご僧侶を呼ぶのであれば、お布施が必要です。このお布施は、「不祝儀袋に包む」とする説と、「白い無地の封筒などを使う」とする説に分かれています。不安な場合は家族に確認するとよいでしょう。
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