誰でも1年に何度かはお参りするお墓。
お彼岸やお盆に墓前に腰を下ろして、手を合わせることで、先祖に感謝する気持ちを持つことができます。
しかし、本家から独立した人は、改めて自分のお墓を建てることになるかもしれません。
「まだ先のことなので、もっと後からで考えてもいいかな。」
と思っていると、いざという時に、残された遺族が苦労することにもなりかねません。
できることなら、元気でいるうちに生前にお墓を購入して建てることを考えてみてはいかがでしょうか?
お墓の役割
そもそも、お墓はどのような目的で建てられるのでしょうか?
お墓は一言で言うと、ご遺体や遺骨を納めるため役割を果たしています。
そして、亡くなった先祖や家族を弔うための証とも言えるのです。
ただ、近年においては、少子化の流れにより、そのスタイルが多様化しており、お墓の選び方も、色々な選択肢が増えているのも事実です。
このようなことを背景にあっても、墓は亡なられた故人や先祖の冥福を祈り感謝する場所であることには違いありません。
お墓は、先祖が子孫を守ってくれたことを感謝するためにあるもので、そのことでお盆やお彼岸に離れていた家族が集って、故人の思い出を話をすることが供養にもなるわけです。
生前にお墓を作る
では、もしあなたが実家から独立した立場の人であるなら、改めて自分のお墓を購入して建てることが必要になって来ることと思います。
しかし、歳を取ってから自分のお墓を建てるのではなく、残された家族にできるだけ負担をかけたくないという思いから、生前にお墓を購入して建てる人が増えています。
お墓を生前に建てるメリット
では、どうして生前に自分のお墓を建てる人が増えているのでしょうか?
生前にお墓を立てると、亡くなる前に自分のお墓を納得できるデザインであったり、個性的なデザインなど自分の思いを反映させることができます。
また、他にも次のようなメリットが挙げられます。
・相続税の対策になる
お墓は、非課税扱いの財産として見なされていますので、相続税の課税対象から外れています。
しかし、自分が亡くなった後にお墓を建てるために必要な資金は、相続した財産の範囲内で相続税がかかってしまいます。
しかし、生前に自分のお墓を購入して建てておくことで、残された親族の遺産相続税を軽減することができます。
納得できるお墓を調べたり、選ぶことができる
生前にお墓を作るとなると、焦らずゆっくりと時間をかけて選ぶことができることもメリットの1つと言えます。
もし、自分が病気になって体調を崩してしまうと、具合が悪くなってしまうと、自分で墓石を探すのは困難になってきてしまいます。
しかも、納骨にせかされることもないので、限られた日程の中で、結果的に不本意な墓石を選択せざるを得ないこともなくなります。
生前にお墓を探すことは、時間的なゆとりがあるために、納得のいくお墓を見つけて購入することができます。
遺族の負担を軽くできる
本人が亡くなると、遺族は法要にバタバタとなり、遺品整理・遺産相続など決めなければならないことがたくさん出てきます。
もし、お墓がないのであれば、そこから墓石探し・霊園申し込みと、かなりの負担が強いられます。
そこで生前にお墓を建てておくことて、残された家族の精神的・経済的負担を軽くさせておくのです。
お墓を購入して建てる費用は?
では、お墓を購入して建てるために、どの程度の費用が必要になってくるのでしょうか?
まずお墓を建てる前に必要な費用として、永代使用料を考えなればなりません。
永代使用料とは、墓所の土地代を永代として使用するための費用となりますが、初めに1度だけ負担すればよいものです。
この費用は、墓地の場所・大きさにより、値段が変わりますが、おおよそ1区画数十万円~百数十万円程度が一般的な相場となっています。
次に必要となるのが、お墓を設置する費用で、基礎工事・墓石代・設置費用から構成されます。
具体的なステップとしては、お墓の場所・墓石デザイン決め・工事になります。
この段階で注意すべき点がいくつかありますが、まずは土地の基礎工事をしっかりとしておくことです。
耐久性・耐震性に優れた施工を行うようにしておくことが重要です。
そして、墓石の費用感を把握しておくことです。
サイズや形、石の種類より、値段が違ってきますが、90万円~300万円程度の費用が一般的です。
これら基礎工事と墓石代を合わせると、100万円~300万円程度が相場的な金額と言えるでしょう。
また、維持管理費用も必要となってきます。
これはお墓を維持するために毎年必要となる費用ですが、公営の霊園では、1年当たり2千円~1万円程度、民間の霊園で5千円~2万5千円見積もっておく必要があります。
尚、共同墓地の場合は、費用が必要なケースとそうでないケースがありますので、予め確認しておくといいでしょう。
お墓を建てる進め方
お墓を建てる進め方も理解しておくことで、スムーズに進めることができます。
墓地の情報収集
今では、墓地情報はインターネット広告などでも、数多く掲載されていますので、こまめに情報収集しておくことが望ましいです。
特に公営墓地は、応募・抽選が限られていることが少ないので、生前購入を考えるなら、よくチェックしておくことです。
予算の把握
お墓を購入し建てる費用については、墓地の広さや、タイプなどの条件を想定し、どのようなお墓を作るかを考えます。
そして、墓地を選ぶ費用やロケーションなどを含めて、契約内容の検討に入ります。
石材店の選択
次に墓石を扱う石材店の選択になりますが、墓地によって石材店が限定されていることもありますので、優良な石材店を調べておくことが大切です。
墓石を選ぶ
墓石の材質・形や文字などを決めますが、付帯設備についても、よく確認しておくことです。
気になるお墓のデザインや石の種類はこちらから
お墓の設置工事
前住所の通り、お墓の工事区画の基礎工事や石材の加工・設置を行いますが、控除額期間は、おおよそ1~2ヶ月見ておくとよいでしょう。
引き渡し確認
お墓が完成したら、引き渡しを受けて確認を行います。
そして、石材店への支払いへの費用支払いとなります。
生前にお墓を建てるための注意点
お墓を生前に購入し建てると、前述のように非課税財産として、相続税の課税対象外となりますので、遺族の相続税の負担が軽くなります。
しかし、ローンで生前購入して、支払いが管理する前に亡くなった場合は、残ったローンの残額は債務控除の対象とはならないので、保証人や遺族に支払い義務が発生します。
これらのことを念頭に置きながら、生前購入を検討することが重要です。