最近耳にする墓じまい
最近によく耳にするようになってきたのが「墓じまい」という言葉。
お墓を終わりにする?どういうことなのでしょうか。
他にも閉墓するとか廃墓にするという言い方も増えてきているのようですので
そういう場合も墓じまいをさします!
墓じまいがどういうもので、なぜ近年増えてきているのか。また実際に墓じまいを考えた場合にかかる費用や手順はどのように進めていけばいいのか。
まとめてご紹介していきたいと思います。記事の中でより詳しく書いてあるものはリンクを設定しありますので、こちらの記事を読んで頂ければ「墓じまい」についての知識が実についていることでしょう。
墓じまいとは何?
つまるところ墓じまいとはなんでしょか。
簡単に言うと
大切なご先祖さまが眠るお墓からご遺骨を取り出し、墓石を撤去し、今の暮らしに最適な墓所へご遺骨をお引越しすることです。
今あるお墓を更地に戻して遺骨が収まっていたお墓を「しめる」。
「墓じまい」なぜ近年になって言葉を聞くようになってきたのでしょうか。
墓じまいはなぜ増えている理由
なぜ墓じまいが増えてきたのか。その背景には近年の人々のライフスタイルの変化など要因がいくつかあります。
少子化・過疎化
日本は少子高齢化が進んでいて、且つ地方の若者は都市部のほうに上京してしまい過疎化が進んで、高齢者のみが残ってしまう問題があります。
そうするとなかなかお墓参りや、お墓の手入れをする事が難しくなってしまい「墓じまい」をするという流れが出てきます。
将来的な管理
お墓を維持していくためには、管理量等も必要です。
またお墓の手入れや掃除等は、自分達でする必要があります。今は動けるからいいけど、将来的なことを考えると、お墓を自分がなくなった後に管理してくれる人がいないという人に、墓じまいを考える人が多いです。
子孫への配慮
上記のお墓を維持していく事にもつながるのですが、将来的に自分がいなくなった時に、お墓の管理のところまで、自分の息子や孫などに面倒や苦労をかけたくないという配慮という点から考えるという人もいます。
そのほかにも、お墓参りへの関心などが希薄になってきていたり、お寺や霊園との関係をやめにしたいなど、時代の流れによるところも多くなってきている要因といえそうです。
墓じまいをしたあと遺骨はどうなるの?
墓じまいが増えてきて、墓じまいは遺骨のお引越しという事はわかりました。
それでは実際に遺骨のお引越しはどこになるのでしょうか。
実はその引越し先は墓じまいの手続きをする前に決めておかなくてはいけないのです。
遺骨のご供養(引越し)の方法は何通りかありますのでご紹介いたします。
永代供養
墓じまいをするときの引越し先として、ほとんどがこの永代供養を選ばれるのことになると思います。
永大供養墓とは
お寺や霊園が、建築しているもので、家族などに代わりお墓のご供養や管理をしてくれる総合的なお墓になっています。お参りも自由にできますし、特に掃除などがむずかしくお参りができない場合でも無縁墓になる心配がありません。
また永代供養は最初こそ費用がかかるだけで、その後の費用はかからずに永続的な供養が続きますので安心、且つお墓参りができるという点で選ばれる大きい理由です。
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散骨
散骨という方法は、海外などで多く行なわれるイメージがありますが、最近では一つのご供養の形が選ばれる事も多くなってきました。永代供養と同じく遺骨を永久的に手放す形になるため、将来的にお金がかかる心配もないのが選ばれる理由になります。
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納骨堂
納骨堂は墓じまいに限らず、墓地用地がなくお墓が建てづらい都心部の方たちに利用される傾向が高くなってきたもので、もともとはお墓を建てるまで間に一時的に遺骨を預かるための建物として認知されていましたが、最近のライフスタイルに合わせて管理しやすい場所にある納骨堂に遺骨を「改装」(墓じまいの引越し先)として利用される方が増えてきたといいます。こちらは年間管理料がかかるものが多いです。
手元供養
地元供養とも呼ばれ、遺骨を自宅など手元に置いておく形になります。手元においておく形として焼き物やペンダントやリングを遺骨入れとして供養する側の裁量で供養ができるとして費用も大きくかからないために、最近は選ばれる方も増えております。
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一般的な遺骨の引越し先が決定しましたら、いよいよ墓じまいの手続きになります。
いよいよ墓じまいを行なう。
上記で書いてきたように、墓じまいをする理由は様々あると思います。
その中で墓じまいを実際に行なうことに決定し、お願いして即日「はい、お引越し」というわけには行きません。
遺骨は、遺体の一部としてみなされるため、勝手な判断で遺骨の移動をおこなったり、お墓ごと遺骨を更地にするような行為はしてはいけません。
またしっかりと業者にお願いして行なうため、費用がかかりますので覚えておきたいところです。
ここでは、墓じまいにかかる費用や、手続きなどの手順をご紹介してまいります。
墓じまいの手順
墓じまいをするお墓の中身を理解しておく
お墓の中には遺骨が入っているのですが、お墓によって収められている遺骨の数の大きさや、どのくらいの年数が経過しているかなどを理解しておく必要があります。
遺骨の行き先を決める。
前項で記述させて頂きました墓じまいをした際に、遺骨の移動先を決定します。
永代供養墓にするのか、散骨にするか、はたまた手元供養にするか、自分達の考えにあった行き先を決めましょう。
親戚(祭祀継承者)に確認と同意を得る
手順の中で一番大事な部分になるかもしれません。
墓じまいの中でもトラブルの原因になりやすいのが、親戚同士のやりとりです。
祭祀財産に分類されるお墓は、遺族が受け継ぐものとなっております。そのため多くの人の想いがあるため、しっかりと関係者がみんなが同意の元で行なわないと、思わぬトラブルに発展する事になります。
墓地管理の部分に墓じまいの旨を伝える
しっかりと親戚同士の同意がとれましたら、お墓を建てているお寺や霊園に連絡します。お墓をしまう手続き専用の書類があるケースもありますので、あらかじめ電話等で確認をしておきましょう。その際に管理者やお寺の住職の方が手続きの仕方を教えてくれるかと思います。
許可申請を受ける
また、別の移転先へのお墓の改葬をする場合は「改葬許可証」が、必要になります。
手元供養や散骨を希望されている人は「新しいお墓」はありませんから、改葬の手続き申請は必要ありません。
場所場所によって、この許可証の必要性などが異なるのが、少し面倒な部分があり「改葬届けがないと遺骨を渡す事はできない」という霊園なども存在します。そういうケースの場合は改葬許可申請の際の改葬理由に、「自宅で供養」として申請すると良いでしょう。
注意したいのが散骨の場合も「自宅で供養」という形にしておかないと、許可が下りない場合があるので注意が必要です。
新しいお墓に移す場合は「受入証明」「埋葬証明」などが必要となります。
閉眼供養をする
お墓を作る際には墓石に魂を入れて遺骨を納めるために開眼供養を行ないます。
その逆で、お墓をしめる際には墓石を単なる物に戻すために「閉眼供養」を行ないます。
墓じまい(お墓の撤去)の工事を行なう。
いよいよお墓の撤去を行ないますが、基本的にお墓の敷地というのは行政やお寺から借りているという形になっているため、墓じまいをする際には、お墓などすべての撤去をして更地にして返却します。
霊園墓地の場合も同じく更地にして返還することが多いので、この辺は管理しているところに契約内容の確認をしてみましょう。
撤去作業は、石材屋さんにお願いすることになります。お墓を作るときと同じようにお寺や霊園が紹介してくれる場合もありますので、石材屋さんを探すのが手間という人は、相談してみても良いかと思います。
取り出した遺骨のメンテナンスと、永代使用権の返納
取り出した遺骨は、カビが生えたり長年の地下における変形などがありますので、新しい骨壷に入れ替えるなど、改葬をメンテナンスを行なう必要があります。
改葬先のごとに
永代供養の場合
骨壷内の水抜きをして骨壷を綺麗にする。
散骨の場合
遺骨の感想をして粉骨にする。後に散骨をする。
納骨堂の場合
洗骨や殺菌をして新しい骨壷に移してから預けるようにします。
手元供養の場合
洗骨、感想をしたら真空パックをする。
をする形になりますが、洗骨や粉骨するということは自分達ではしたことがないと思いますし素人ではとてもできるものではないので、専門業者にお任せするようにしましょう。
遺骨を取り出し、お墓も取り除く更地にしたら墓じまいもおしまいです。
もっと詳しく
墓じまいを行なうとなると、手続きなどで思ったより時間がかかりますので、その点も意識して起きましょう。また引越し先などの対応によっても変わってきますが、墓じまいは費用がかかります。
おおよその費用を次で見てみましょう。
墓じまいにかかる費用
墓じまいを行なう際にかかる費用をご紹介いたします。
もちろん業者さんや、改葬する場所などによって、かかる値段が変わってきますので
おおよその費用のイメージとしてご参考にしてください。
墓じまいにかかってくる費用は大まかに分けて3つになります。
- お墓の解体や撤去費用
- お布施
- 新たな遺骨の引越し先への納骨費用
お墓の解体や撤去費用
墓じまいをする時に必要となる費用になります。
多くの人は石材店の方に頼んで解体作業を行なってもらう事がほとんどです。
おおよその相場は10万円~30万円程度になります。
環境によって費用に幅がありますので、覚えておきましょう。
お布施代
檀家を離れるための料金や、お墓から魂を抜きお墓を、ただの石に戻す儀式(閉眼供養)はお布施と同じ扱いとなります。基本的には「お気持ち」という形で値段に決まりがあるわけではありませんが、おおよその相場として、離檀料で3万円~15万円くらいで、閉眼供養で1万円~3万円程度になります。
新たな遺骨の引越し先への納骨費用
前項で記述した引越し先への納骨費用になります。新しいお墓を建てたり、散骨にしたり手元で持つ事により費用は大きく変わって来ます。数千円程度から数百万まで費用は、引越し先によって変わってきますので、予算や今後墓じまいを何のためにするのかを考えて決めてみてください。下記に上記でご紹介した相場を記載しております。
内容 | 費用 | 備考 |
---|---|---|
お墓の撤去と移設 | 10万円~30万円 | お墓の設置場所や重機が入るかなどの、施工条件でも費用はかわってきます。 |
離壇料 | 3万円~15万円 | 基本的には「お気持ち」として特に決まった相場があるわけでないとされていますが、お布施と同じ扱いとして考えられており、法要1回分のお布施として収める金額を包むようにするというのが、一般的とされます。 |
開眼供養、閉眼供養 | 1万円~3万円 | こちらも決まった相場があるわけではないので、気持ちとしておつつみします。 |
お骨の移動先 | ||
永代供養 | 3万円〜10万円前後 | 永代供養の相場は種類や含まれるサービスなどで大きく左右されるますので、しっかりと確認をするようにしましょう。 |
散骨 | 5万円~40万円 | 散骨する場合は粉骨する必要性があります。また散骨の方法も海に散骨する海洋散骨や山への散骨、そして埋葬という形になりますが最近では樹木葬という方法もあります。正確には樹木葬は「散骨」になりませんので参考にしていただければと思います。海洋散骨の場合も複数の乗り合いでやる場合と、自分達だけでやる場合などでも費用は変わってきますので、自分達の予算の中で業者さんに相談して行なう事をおすすめします。 |
納骨堂 | 1体用のロッカー式:10万円~50万円 複数のご遺骨が収納可能な仏壇式:80万円前後 |
納骨堂を供養場所として利用する場合は、お墓でお寺や霊園を利用する場合と形態は同じですので、永代使用量と毎年の管理費がかかってきます。種類や形式がありますので、こちらもお寺や管理している方への確認をするようにしましょう。 |
手元供養 | 1500円~ | 手元供養の場合は、粉骨をしてミニ骨壷やペンダントという形で遺骨を納める形になるため、供養の引越し先の費用としては、ミニ骨壷などは本当に安価な値段のものからあります。 |
もっと詳しく
まとめ
時代とともにご供養の在り方というのは変化していくと思います。
先祖を敬いつつもなかなかお参りにいけないや、受け継ぐ人がいないでこのままだと、無縁墓になってしまうという事を考えると、墓じまいは一つの良い決断になると思います。
親戚の同意など大変な部分も多いですが、今後のご供養のあり方を今一度検討するというのは如何でしょか。
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