大仏さまについて その9

頭大仏

北海道札幌市にある、真駒内滝野霊園(まこまないたきのれいえん)にも有名な大仏さまがいらっしゃいます。大仏殿の入り口に立つと広く緩やかな丘にラベンダーが地図など起伏を表す等高線のように植えられ、春は新緑、夏はラベンダー、冬は雪に包まれ、季節によって表情が変わります。大仏さまはこの丘に開けられた縦穴の洞窟に鎮座されています。丘の頂点よりも大仏さまの座高が少しだけ高く、頭だけひょっこり出ている状態です。これによって、通称「頭大仏(あたまだいぶつ)」と呼ばれています。風景を楽しみながら参道を少し歩くと、大きな「水庭」が現れます。順路としてこの水庭を迂回することになります。この水庭は結界の意味があり、その壮大さと天空を映す鏡のような水で心を清め、日常から非日常へと心を切り替える役割をになっています。水庭を越えると、天井に曲線を描くコンクリートがひだのように連なったトンネルが現れます。これは薄暗闇に包まれた胎内のような空間を表しています。ここを抜けると初めて大仏さまの全様を見ることができます。トンネルによって狭められていた視界が大仏さまがいる大きな空間への変化と、吹き抜けから指す光が後光のように見えることで、他には無い神聖さを体感できるでしょう。

北海道と安藤忠雄

真駒内滝野霊園の大仏さまは、4,000トンの原石から選別・加工され、57のパーツにより組み上げられています。高さは13.5メートル、総重量は約1,500トンの石像大仏となります。当初は『御霊供養大仏』と呼ばれていましたが、先にお話した大仏殿を世界的建築家の安藤忠雄先生によって建設され、外からは頭しか見えない構造となり、「頭大仏」と呼ばれるようになりました。安藤忠雄先生が設計された北海道の建造物は他にもあり、代表的なもので、北海道勇払郡占冠村の星野リゾート トマム内にあるチャペル、通称「水の協会」があります。敷地は外界から切り取るようにそびえる巨大なL字の壁で仕切られ、シンプルかつ神聖さを醸し出すコンクリートとガラスで造られた堂内は、開放することで風、光、景観との一体感を感じることができます。本堂正面には水庭、その真ん中には十字架があり、十字架と背景の自然が静かな水面に映り、それらすべてが神秘的な空間を作り出しています。この「水の協会」は、大阪府にある「光の協会」、兵庫県にある「風の協会」と安藤忠雄先生による「教会三部作」の一つとして数えられ、どの協会もその名の通り自然を感じることができる構造と、より神秘性が高まった空間演出が施されています。

日常に癒しをもとめる一つとして、知識や技術だけでは到達できない感性から生まれる安藤先生の空間美を訪ねてみるのも良いかもしれませんね。

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