- 墓じまい
- 2024.05.08
墓じまいのマナー~参列するときに知っておきたいこと
お墓の維持が難しくなったり、継承者がいなくなりそうな未来が見えていたりするといった理由で、墓じまいを検討する人も多くいます。
ここではこの墓じまいに立ち会うときのマナーについて解説していきます。
墓じまいに立ち会うときの服装について
墓じまいを行うときの服装は、基本的には「平服」です。
男性は、黒色や紺色、灰色などのダークスーツを着用します。女性もまた同じですが、ワンピースやアンサンブル、パンツスーツなどを選んでも失礼にはあたりません。
学齢期の子どもの服装で、もっともよいのは「制服」です。制服は第一の礼装であるため、どのようなシーンでも着用できます。制服がない学校もしくは学齢期前のお子さんの場合は、制服に似たかたちの洋服や、黒色などの服を選ぶようにします。乳幼児の場合は、パステルカラーの服も許容されます。
一般的に、墓じまいを検討するのは、「そこに埋葬されている人が亡くなってしばらくしてから」でしょう。そのため、喪服を着る機会はあまりないかと思われます。なぜなら、喪服は三回忌法要のときまでしか着ないものだからです。
ただし、「一周忌法要を行うタイミングで納骨をする。その際には、今までの墓ではなく、樹木葬霊園に埋葬する。今までの墓はそれを機に墓じまいを行う」などの場合は、喪服で参列するとよいでしょう。
墓じまいと不祝儀の話
墓じまいは、葬儀や法事のときとは異なり、基本的には不祝儀は出しません。
しかし下記の場合は例外です。
1.法要の後に墓じまい~納骨を行う……
「一周忌法要などが終わった後に、古いお墓を墓じまいして、新しい場所(樹木葬霊園など)に納骨を行う」という場合は、法要と納骨式のための不祝儀を包みます。
関係性によって異なりますが、一周忌法要の場合の不祝儀の相場は10000円~50000円程度です。また、納骨式の不祝儀は5000円~10000円程度です。そのため、一周忌法要+納骨式の場合は、持っていく不祝儀は、15000円~60000円が相場となるでしょう。
なお、「15000円や60000円という数字は中途半端である」という説もあります。ただしこれについては専門家の間でも見解が分かれるため、同じ立場の人と話し合って足並みをそろえるというかたちがよいでしょう。
不祝儀袋は、仏教ならば「御佛前」、振動ならば「御霊前」、キリスト教ならば「御花料(※プロテスタントでもカトリックでも使える)」とすると失敗がありません。
水引は、白黒あるいは双銀・双白の結び切りのものを使うようにします。
2.新しいお墓を別に建てる場合
「古いお墓は墓じまいするが、祭祀継承者の近所の墓地に新しく建てる」という場合は、建碑祝いを用意することになります。
建碑祝いとはお墓を建てたことを祝うものであり、ご祝儀にあたるものです。そのため、冠婚葬祭の「葬」に関わることではありますが、紅白の水引を使います。ただし、「建碑祝いの水引は、結び切り(二度とあってほしくないこと、あってはならないこと、葬儀や結婚など)か、それとも蝶結び(何度繰り返してもいいこと。出産など)か」については、専門家の間でも見解が分かれているのが実情です。迷った場合は、世話になった葬儀会社に聞いたり、周りの人に聞いたりするとよいでしょう。
なお金額は、10000円~30000円程度です。
墓じまいとお布施の関係
墓じまいを行う場合で、かつご僧侶などの宗教者を呼ぶ場合は、お布施を用意します。金額としては30000円~10万円程度が相場で、白の封筒に「御布施」とするのがもっとも一般的です。また、これを機会に菩提寺を離れる場合は、離檀料としていくらかを包む場合もあります。その相場は50000円~20蔓延程度とされていますが、菩提寺との関係によっても金額は異なります。
なお「墓じまいは、宗教者の立ち合いなしに行ってはならない」などの法律はありません。そのため、「自分自身は違う宗教を信じている」「寺の対応が悪かったことが原因で、墓じまいを決心した」などの場合は、ご僧侶の立ち合いなしに墓じまいを行うことは可能です。
また、法外な離檀料を請求された場合は、弁護士などに相談するようにしてください。
まとめ
少子高齢化が進んだうえ、「地元で一生を終える人」ばかりではなくなった現在、墓じまいというのは非常に現実的な選択肢のうちのひとつとなりました。墓じまいを行う理由は人によって異なりますが、「祭祀継承者がいなくなった(いなくなりそう)」「宗教観の変化」「管理の難しさ」などは、墓じまいを検討する大きな理由となります。
墓じまいを行うとき、また墓じまいに立ち会うときは、参列している人を不快にさせないように、マナーを守ることが必要です。服装や不祝儀(祝儀)の用意やお布施のマナーを頭に入れておき、「いざ、そのとき」が来たときに戸惑わないようにしておきましょう。
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