生前に墓石を建立する事を「寿陵」と言います。おめでたい事とされています。
(以前のブログにもありますので、ぜひご覧になってください)
少し違った「想い」でお墓のご検討を進める方がいらっしゃいます。
残されたご家族の為に、ご自身が入るお墓をお建てになる…
お客様より「あと数か月なので、自分のお墓を建てておきたい」とご依頼を
いただきましたのは、桜の時期でした。
お電話の声からは、お体の具合が悪いことは一切感じません。
「月曜日には病院へ行きますので、そのあと数日は体調がすぐれません」と
ご自身の様子をしっかりと把握していらっしゃったので、
私どもはお客様のご様子に合わせて、やり取りをさせていただきました。
奥様がお掃除しやすいように、作ってほしい。
彫刻には「感謝」の文字を入れたい。
施主様の優しいお人柄を感じました。
ご希望通りのお墓をおつくりできるように、何度もやり取りをさせて
いただいたことが思い出されます。
夏にお墓が完成し、奥様と完成したお墓を見て喜んでいただきました。
「今後も末永いお付き合いの程、お願いいたします」
最後にお伝えした言葉です。
秋になり、お電話をいただきました。
声を聞いた瞬間はご本人と思い込み、息子様である事に気が付かずに
おりましたが、「先日亡くなりました」とのご連絡でした。
「自分で作ったお墓に入る事ができたので、最後は笑顔で逝きました」
息子様よりいただきましたお言葉です。
その時は言葉が見つからず、返答できませんでした。
申し訳ない事をしたと、今でも思っています。
大切なお墓の事を私どもに任せていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。
ご家族にとりまして、お墓は「大切な人がいる場所」になる…。
改めて自分の仕事の意味を考えさせられました。
今日もまごころ込めて、お墓づくりをサポートいたします!
山本