お墓やお仏壇などには、ローソクを灯して線香を焚き、ご先祖に手を合わせる方が多い
のではないでしょうか。
では、どうしてローソクを灯すのでしょうか?
ローソクの灯りには、火によって周囲の不浄を浄める目的と、お墓やお仏壇の周りを明るく照らすことで煩悩の闇に光を当てる目的の2つがあります。
ローソクの灯りには、ご先祖様と現世に生きている私たちを結ぶための役割も担っています。
お盆やお彼岸の時期に、迎え火を焚くのはご先祖様が道に迷わず、スムーズに現世に帰って
こられるよう場所を教えるためのもの。
また、お墓参りの際にローソクを点けるのは不浄を祓うだけでなく、お参りに来た方々の顔を
明るく照らし、ご先祖様に姿をよく見せるためでもあります。
昔から明かりは貴重なものとして、宮殿や神殿、寺院などで儀式の際には必ず用いられてきました。
明かりは邪気を祓い、浄化する不思議な力があると信じられ、長い歴史の中で絶えることなく受け継がれてきました。
昔は蜜ローが使われていたようです。
非常に貴重なもので、貴族社会や寺院での仏事など、特別な場合のみ使われていたそうです。
現在のパラフィンローソクは湿度や高温に弱いため、冷暗所に保管するようにしましょう。
直射日光が当たってしまうと徐々に溶解が進んでいってしまうため、温度変化が少ない場所に
しまっておくのが宜しいと思います。
お墓参りの時やお仏壇に手を合わせる時は、是非ローソクを灯して、ご家族様の近況など
報告されてみてはいかがでしょうか。
成田めぐみ