先日の私のブログでは、お墓参りのお花についてご案内差し上げました。
お墓のお花については、お参りの時に持参するお花のほか、お墓にお花を植えたいというご希望をいただく事もあります。
お墓に花を植えたい
お墓は墓石だけですと無機質になりがちですが、お花などが植えられていると心が和む気がいたします。
故人が好きだったお花や植物を植えることで、供養の気持ちを表せますし、お参りに来られたかたの気持ちをほぐす事もできるかもしれません。
ただ、お墓参りに持参するお花と同様に、植える植物についてもいくつか注意が必要になりますのでご紹介いたします。
墓石の汚れ
まずは、お墓への植栽を禁止していたり、植えても良い植物を限定している霊園もありますので確認が必要になります。
根が張りすぎる植物は、石塔や外柵、納骨室にまで入り込みヒビを入れてしまったり、石を持ち上げてしまったりします。
背が高く伸びる植物、葉が多い植物なども、こまめな剪定や落ち葉の掃除などが必要になります。
濃い色のお花が咲く種類については、花びらなどが墓石に落ちますと、色が付き落ちなくなったというお話も良く聞きます。
まわりのお墓に、種が飛んでいって開花したり、落ち葉や花粉などで迷惑がかからないよう、慎重に選んで楽しみましょう。
成田めぐみ
お墓参りに行くと石塔や墓誌(墓標・法名碑)に名前とは別に戒名を彫刻しているのを目にすると思います。
そもそも戒名とは何か?
戒名とは厳しい戒律を守って仏門に入った人が授かる名前のことです。
つまり「戒名」「法名」は仏教に帰依した僧侶や信者のみに与えられた名前のことを言います。
本来は生きている間に戒を受けて、仏教者として生活を送ることが理想だそうです。そのため、大半の寺院では生前に戒名を授かることを「生前戒名」をいただく事を望ましいと提唱しているそうです。
しかし、現代では普通に生活していくうえで絶対に必要なものではないため、亡くなってから戒名が授けられるというのが一般的だと思います。
宗派別の戒名の特徴
戒名は宗派によって呼び方が違うことをご存知ですか?
- 天台宗、真言宗、浄土宗、曹洞宗、臨済宗は「戒名」
- 浄土真宗は「法名(ほうみょう)」
- 日蓮宗は「法号(ほうごう)」
戒名を用意する前に、故人のお人柄を尊重し反映して頂きたいというお考えをご住職にお伝えください。
どんなお悩みもプロとして適切にそしてお気持ちを汲んでご提案していきます。
寺澤
お墓参りに行く時には、お供えものやお線香など持っていかれると思います。
その中でも「数珠」を持っていく方も多くいらっしゃると思います。
数珠の意味とは
数珠は合掌する手に掛けたり、また数珠を揉むようにして音を出したりなどして使用します。
もともと、念仏の回数を記憶するためのものとして使われていました。そのため、念珠ともいわれています。
珠の数は宗派によって異るのですが、一般的には煩悩の数と同じ108つの珠をつないだものになります。
数珠は持っているだけで功徳を積むことができるとされて、魔除けや厄除けになると言われています。
数珠の使い方について
数珠の使い方ですが、基本的には左手にかけて右手に添えるようして合掌する方法か、両手にかけて合掌をするようにします。
握り方はそれぞれの宗派によって異なるようです。
数珠の宗派による違いについて
たとえば、浄土宗では特殊な本連数珠を用います。浄土宗の本連数珠は他の宗派と違い、二つの数珠を交差させている形状をしています。
浄土真宗の場合は、念仏の数を重要視しないので、数珠の珠の数は特に定められていないようです。
皆さまもお墓参りに行かれる際にはぜひ数珠を持ってお参りしてください。
乙部
皆さんはご自分の家の家紋をご存知ですか?実はお墓をつくる際に「家紋」を彫刻される方が多いんですが、「形はわかるけど、名前はちょっと…」という方もとても多いのです。そこで今回はそもそも家紋でいつから使われていて、どんな意味があるの??についてお墓ディレクターの私がご説明いたします!
家紋のルーツって???
もともとは、平安時代に公家や貴族が朝廷に参内するために牛車(ぎっしゃ)に家の印をつけたのが家紋の始まりといわれています。その後、戦国時代になると意味合いが少しずつ変化していきます。家紋は人から人へ譲られていくものになり、とても名誉なこととして扱われてきました。例えば、あの「豊臣秀吉」は天皇直々に菊の紋を授けられました。菊の紋といえば皇族のシンボルですよね。では、徳川家康はというと江戸時代「士農工商」という身分制度がありました。そこで自分たちも家柄を区別しなければいけないということで、一般の人も家紋を持ち始めました。まさに江戸時代の身分証明の役割を持っていたようです。また、冠婚葬祭という「晴れの行事」の中で衣装から調度品まで家紋が使われ始めたのではこのころだといわれています。
より身近になった家紋
それでは、明治時代以降の位置づけはどうなるのでしょうか。身分制度がなくなり、徐々に家紋の意味合いも薄れていきました。身分の証明だった時代とはかわり、ただ単に家のシンボルとなり、一族のロゴマークのように日常の生活に取り入れていくようになりました。喪服やお墓に家紋を入れるなど、昔と比べると、よりポピュラーになっていきました。
こんなにあるの!?家紋って
家紋は一般庶民の「家の印」として位置づけられ、どんどん種類が増えていきました。同系の家は宗家と分けるために原型はそのままにして一部のデザインを変更し、工夫していったのです。今では家紋は日本に20,000種類あると言われています。今回、調べてみて初めて知りました…家紋の本を見ると「え?これも家紋??」といのが見られ、結構見入ってしまいます(笑)
皆様、お墓を作るときになって「んー家の家紋はなんだったかな?」と慌てて探される方が多いようです。事前に自分の家の家紋を調べておくと、いざというとき役立つかもしれませんね。
本間
線香の本数は、宗派や地域によって違いがあります。
必ずということではございませんので、一般的な目安としてご案内いたします。
四十九日までは
四十九日までの本数は基本的に1本です。
その理由は、亡くなった方を天国に導く道しるべとしての役目があるためです。
四十九日を過ぎてからは宗派により本数が異なります。
宗派ごとの本数は?
宗派ごとに線香を立てる本数など違いがあります。
- 天台宗・真言宗
- 線香の数は3本です。「三宝」という、「仏、法、僧」のすべてを大切にするという考え方からきています。自分から見て逆三角形になるよう、手前に1本、奥に2本立てます。
- 浄土宗・曹洞宗・日蓮宗・臨済宗
- 線香の数は1本です。香炉の真ん中に立てるようにします。1本の線香が燃え尽きるまでの時間を目安として、修行や瞑想をしていたとも言われております。
- 浄土真宗
- 線香の数は1本ですが、立てません。線香を香炉の幅に合わせて折り、煙が出ている方が自分から見て左側になるように寝かせておきます。
線香の煙で心を落ち着かせ、ゆっくりと仏様と会話をしてみてください。
太田